日本の話芸 落語「年枝の怪談」

戻る
【スポンサーリンク】
14:15:21▶

この番組のまとめ

少し 離れました神奈川にもやっぱり 寄席があった。 で これへも出る事になりましてで 神奈川の寄席は中入り前を務める。 で その 神奈川のほうの寄席のトリはといいますと柳枝の弟子で 年枝という若手の噺家でございますがですから 師匠と弟子がまぁ 交代で神奈川と横浜の寄席を掛け持ちをしたんでございます。 『お前さんは 年枝さんだね?噺家さんだね?お前さん 若手の真打で大層 人気があるというんで私ゃ この間寄席へ聞きに行ったんだ。

「じゃあ ごめん下さいまし」ってんで宿を出たんでございますがまぁ 当時の事ですから歩いたり また沼津には 入道館という立派な寄席がありましてこれへ出たんでございます。 当人は もう一生懸命になって 高座を務めてそれから 半月 そのまんま寄席へ出ておりました。 と 大須観音がありましてあの周りは ズ~ッと こう寄席が建ち並んでおりましてその一軒の寿亭というこれへ年枝が出る事になりました。

「ついちゃね 夏場になってねで お前さんにお願いというのはね今 東京で 圓朝師匠って方が大層 怪談噺で当たってるってね評判がいいって事を聞いたんだよ。 そこでね 金沢でも 怪談噺やってもらいたいと思ってねお前さん 怪談噺やっちゃもらえないかね?」。 「あっ 左様ですか怪談噺でございますか。 いや 私は 圓朝師匠から教えて頂いた訳ではございませんが圓朝師匠の高座は度々 脇で伺っておりまして怪談噺も 2つ3つ知ってるんでございます。 なかなか 金沢で怪談噺というのは聞けないと思っておりました。

2人が急須を引っ張りっこをして指が触って手が触れるってぇとそこは 若い者同士ですからニコニコっと 笑う事があります。 これを豊志賀が見ておりまして『2人は惚れ合っているんだな』と勝手に 勘違いをして。 どんな 痛い目をしても 新吉に会いたいんだな』と思うから胸の中は もう モヤモヤ モヤモヤどうにも しょうがない。 『あっ お口に合うかどうか分かりませんが今日は 煎豆腐をこしらえて持って参りました。 で 新吉は 看病疲れで布団に入ってトロトロっと したかと思うと病人は寝飽きるんでしょう。

新吉は たまったもんじゃありませんでね『あ~ 怖い 怖い』と思っているとついに 逆上しました豊志賀台所に這い出して 出刃包丁で喉を突いて 自害を致しました。 『今日ね 師匠の三十五日』。 私 あの~ 世間の噂があんまり うるさいものですから江戸にはいられなくなりました』。 『あっ 世間の噂って私と あなたが いい仲になってそれで 師匠が あんな事になったって あの噂でしょう?もう 世間はいろんな事を言いますからね。 『あの~ 私の伯父さんがね下総の羽生村に居りますの。

一生懸命 やりますからどうぞ 守って下さいまし」ってんで2日目の晩でございます。 今日は 一生懸命やらさせてもらいます」ってんで噺に入ったんでございますが。 師匠ね お客様 1人入ってますよ お風呂に。 じゃあ 私 お風呂頂いて参ります」ってんでうれしいもんですから鼻歌まじりでもって湯殿へ やって参りましてで 着物を脱いでちょうど 湯殿との間仕切りの戸がありますからこれを開けて 中に入って。 これが 神奈川の按摩ですから「ウウ~ッ」。

実は この 新潟にね家の 分かれの寺がありましてねで まぁ そこでね 住職が今 いなくなったんでねお前さん そこに行ってもらえませんかね?住職兼小使いなんですがどうでしょうか?」。 行かせて頂きます」ってんでこの年枝が新潟の山寺に やって参りました。 と 目に飛び込んで参りましたのが「東京落語 春風亭柳枝」という看板でございました。 「年枝でございます年枝が 挨拶に参りました。 年枝の挨拶」。 お前さん 年枝さん?ちょいと お待ちよ。 年枝さんが来ました」。