賭け事と まぁ 酒とがドッコイ ドッコイですかね。 私より もっと すごい賭け事の好きなんが兄弟子の月亭可朝という方ですね。 もう 一番 かなわんのはね昔 伊丹空港であの 蛇腹みたいな荷物 出てくる所 ありますな。 「いや ほんまにするんかな?」思て「ほな 5,000円ぐらいやったら出しますさかいやってみなはれ」言うたらあの月亭可朝いう人はパ~ンと 乗って ゴ〜ッとあの 暖簾の中へ入っていきまんねや。
あんたな 左官屋ちゅう立派な腕 ありながら何で 働いて 家へお金 入れてくれへんねん?あんたが 家へお金 入れてくれへんさかいどないして 私やり繰りしてる思うねん。 ええ?ここへ 嫁入りしてくる時にまぁ ちょっとやけど 一応箪笥に 荷物 着物を詰めてやって来たわいな。 「ええ 家は 新町の扇屋という廓でございます」。 「あ~ 扇屋さん。 ほれ 見い見つかったやないかい ええ?新町の扇屋 行とんのや。 一生懸命 仕事 頼んでるのにちょっとも 来てくれへんな。 ええ?いや 左官屋のほうやないこっちのほうや。
な?それはな今年の大晦日までやで。 ひょっと けったいな病気 もろておかしな体になっても私が小ちゃい頃お父っつぁん木菟念寺さんの壁塗りはった時 あったやろ?和尚はん 褒めてはったで。 な~ お父っつぁん真面目に働いてまた 自慢させて」。 間違いなく 真面目になる。 それで 大晦日までには必ず 迎えに来るよってかわいがってもらえよ」。 「チェッ いつまでも子供や 子供や 思てたらフン一丁前の娘になりやがるねん。
「それやったら言わせてもらいますけど実は 家の店 中船場に大きな お店があって50両 池田屋さんで集金してきたんです。 ああ 身寄り 頼りの無い私を丁稚から この手代まで上げてくれはったええ旦那さんです」。 「いや前にも 3両 集金してきてそれ 落として店 帰って 旦那さんに『3両 落としました』言うたら『3両いうたら大金やど。 けど 落としたもんはしょうがない な?その分 一生懸命頑張って 働け』言うて堪忍してくれはったんです」。 そこの主で 伊勢屋藤兵衛という者でございます」。
私 鼈甲問屋をやっとります「親方」。 実は 昨晩家の文七の帰りが遅いんで『どうしたんやろかな?どないしてたんかいな?』思たら池田屋さんが やって来ましてね50両をば持って50両 出てきたんでこれ お返しに上がりました」。 「よう 50両ってな大金碁盤の下へ忘れるな~。 文七いうんかい? もう一遍…飛び込んでこい 阿呆んだら」。 人に 一遍 やったもん出てきたからいうて返してもらう?そんな性格やない。 この界隈でもな勢いのええ ああ 辰五郎で通っとんじゃ こんな金 要らん。