♪~まぁ 前座修業しまして兄弟子と テレビを見てましたら事件の ニュースが流れてきましてね「ひでえ事 する奴がいるんだね」こんな話をしてます。 若い夫婦が 子供を産んでね育てられないからってんで亭主は逃げちゃって母親になる 若い人が私も育てられないってんでロッカーに捨てちゃったっていうんだ」。 どうせ 捨てるんなら家の玄関に私が 昭和41年八代目林家正蔵の所へ弟子入りした時上野の稲荷町という長屋に住んでおりました。
あっ そうあいつが 帰ってきたらさ七兵衛さん所連れてかなくちゃ 悪いよ」。 「そうだよ 今度の奉公先は七兵衛さんが決めてくれたんだから。 いい旦那様 いい おかみさんいい番頭さんばっかりであいつは幸せだよ 本当にね~。 朋輩の人にもかわいがられてんだろう?友達づきあいだからありがてえや 本当にな。 だから 七兵衛さん所挨拶に行ってね…。 鎌倉の大仏様なんてぇな出世前の男の子見せると 喜ぶよ。 「そこまで行くんだったらな~『尾張名古屋は 城でもつ』ってえからさ鯱 見せてやりてえじゃねえ。
「食傷を起こしてもいいぐらい食わせてやりたいのが人情だってんだよな ハハハ。 そこの横丁 曲がるってぇと俺が掃除してるから『お父っつぁ~ん』て「外の箒 家にありません」。 ええ? いいんだよ家の前を掃除するだけなんだから。 ええ? 何をグズグズ してやんだ 本当に。 足が速えんだから 本当に。 こっちの気にもねかけねえで 本当に。 冗談じゃねえや 本当にこうやって 掃除してるだろ?涙 ボロボロ こぼしながら駆け出してきて俺の首ったま つかまるよ ハハハハ。 「ハハハ 驚くだろうな 本当にな。
せっかくね 3年ぶりで帰ってくるんだから俺たちさ ね? 朝湯 連れてって背中 流しっこしてやろうじゃねえかよ。 ね?出世したっていうよりも出世前の男の子の背中なんか流せるのはおつなもんじゃねえかよ。 俺が 一生懸命いい気持ちで 仕事してたらばか野郎 あいつら パアパア パアパアくだらねえ事 言いやがって冗談じゃない」。 「うるせえ 冗談じゃねえや本当にな。 分かってるけど あんまり立派な挨拶 されたから顔が上がらなくなちゃったよエヘヘヘヘ。
本当になアハハ。 そうなんだよ ええ?そうしたらさ お前がさ太った男の子とチャンバラごっこ やってんだよ。 うんあれ 番頭さんに見つかったら怒られちゃうよ 本当に。 大丈夫 大丈夫。 もう 見られる 大丈夫だよ。 アハハハ~。 また 親切だからなあそこの家の人は 本当に。 「番頭さんに教わったら とってもおいしいって分かったから今度の お土産はこれにしようって決めたんです。 「よせ この野郎! お小遣いが無くなっちゃうじゃねえかよ。
近所の連中 長屋の連中に食わせてやりてえな ええ?『家の伜が持って参りました。 そう そう今な 町内の連中と喧嘩しちゃったんだよ な?おっ嬶。 あ~ 大丈夫 大丈夫。 手拭いは 古いの入れるんじゃねえ 本当に。 出世前の男の子 ね?いい手拭い 新しい手拭いをポンと 入れてシャボンを入れて。 床荒らしとか床荒らしとか言うのかね着物 持ってっちゃうんだ みんな。
やっぱりね 言う事方々で 聞いてるからいい先輩がいて旦那様と おかみさんにねありがてえ 本当にな。 お前はそれが いけねえんだよ ええ?他人の家の子供じゃなくて自分の家だからっていいってもんじゃないんだ それは亀の がま口なんだろう?子供が ね?お父っつぁん おっ母さんに無理して お土産を買うってぇとお小遣いが無くなっちゃうとよく 言うじゃないか。 そんな 悪い事』『やらないと 承知しねえぞ』なんて言われたら お前さんあの子だって フラフラッと」。
「いいかげんにしろ この野郎張り倒すぞ この野郎。 な~ 長え物を短くして世間様に 頭の上がらねえ商売かもしれねえけど正直一徹できたんだ この野郎。 その伜があんなに お世話になってる大事な 大事な 旦那様の部屋に飛び込んで この野郎だから貧乏人は嫌になっちゃう」。 「この野郎 頂いた?ばか野郎 そんな大金…」。 ある日 新どんがニコニコ 笑いながら私の肩 叩いて『奥の 旦那様と おかみさんが用があるからおいでって呼んでるよ』。