古典芸能への招待 歌舞伎「隅田川続俤 法界坊」

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この番組のまとめ

♪~秀山祭は 近代の名優初代 中村吉右衛門の功績をたたえまた 芸の継承を目的に今回も 副音声での作品解説出演者情報をご覧頂けるデータ放送どうぞ 合わせて お楽しみ下さい。 時に 早速ながら お頼みありし鯉魚の一軸大家へ売れば大金になる品なれども達ってのお望みゆえ私の望みの おくみどのとの縁組が調うた上で百両で お譲り申すお約束なれど兎角 物事は 早いがよいゆえサァ 改めて お受取り下さりませ。 浅草龍泉寺 釣鐘の建立お志はござりませぬか。

あなたは牛島大蔵様。 旦那 待ってますよ!御坊 御坊… コレ 御坊。 そんなら鯉魚の一軸を。 番頭さん サァ申し姫君様只今 お詣り申しましたはありゃ白鬚明神のお社にて此処は江戸で名高い花屋敷何と よい景色ではごありませぬか。 一軸 お手に入るならば吉田のお家は ご再興。 紛失の鯉魚の一軸も有所が知れました事なれば要助もう了簡してたもいのう。 然うして我身 最前の一軸持って居やるかいな?ハイ 其一軸なれは 此処にちゃんと持て居りまするが。 此一軸に構うて下さりまするな。

お前さまこそ 早う私をそでにしてあの源右衛門様と御祝言なされませ。 此観世音の威徳にかけて変る心はござりませぬ。 とはいうものの大枚百両。 是を 其方に貸してやる程に源右衛門から一軸を買取り祝言は約束変替。 さすれば両方よしのかすがい思案ここらが 手代を憐れむ番頭の器量というものじゃ。 書けとは 何を?ハテ 百両借りましたという証文をな。 其の証文はナ後家御様と天道様へのわしが こころの言訳じゃ。 さっ 是れでよろしうござりまするか?ソレ あらためて金百両。

うつつ他愛に のぼせ上り耳は じゃかじゃか錫杖の音に聞えし名僧が堕落の起りは おくみさん。 これはな わしが常々思いの丈を認めた この文何 知らぬ? 知らぬとは胴欲な。 知らぬ八方 外ヶ浜鬼住む里の果迄も愚僧の思いを これ おくみちゃん。 この七月 八月は奉公人が多いから又 御馳走になります。 代金すまぬ一軸を渡してしまったわ。 ソレ程 わしは達引するのにサァと云う時になってから四の五のと云うはわしと祝言せずに一軸を 只取る工面か。

忠義一途の番頭と。 おくみ坊と要助の野郎が離れ座敷で チュッチュク チュッチュク乳繰り合っていたのを連れてきたんだい。 これが れっきとした間男の証拠だい。 それだけじゃ 間男の証拠にはならねえね。 おくみ様と要助は 主と家来。 要助に 御用があって仰有りつけておいでなされたのでござりましょうがな。 それとも他に 何かたしかな証拠があるか。 証拠はねえのか。 大極く上々吉というね証拠を思い出しやした。 そんな証拠があるなら早く出しなさい 出しなさい。 どうだいこういう証拠があるんだい。

番頭さん此の法界坊ってのは何処ぞで聞いた様な名だね。 沖の暗いのに白帆が サア見ゆる あれは紀の国 ヤレコノ コレワイノサモシ 甚三さん おまえさん 最前要助の請人だと云いなすったナ。 ハイ 大蔵様から受取りました拵らえの代金百両にござりまする。 「一つ 金百両 右正に受取申候番頭 長九郎様へ 要助より」。 要助は 請人の甚三殿に預けまする。

心中立てにはこの一軸を お預け申します。 あ~! あった あった! しめたぞ しめた 〆このウサギ しめたぞ しめた〆この うさうさ 甚三さんは 何処じゃ道具屋の甚三さんうしゃがれ うしゃがれ!最前 偽金の悪名をつけ無実の難をかけましたアノ番頭の長九郎に遺恨があって…。 貴様が おれを付廻すのは此の一軸が欲しいのであろう。 コリャ 大切な一軸を!破った 引裂いたが どうしたのだ。 して 何故の御生害?大切なる鯉魚の一軸源右衛門が引裂いてしもうたわいナ。

喧嘩だ 喧嘩だ!喧嘩だ 喧嘩だって言ってやがるよ。 喧嘩だ~!騒ぎでございました。 ナンマンダブ ナンマンダブ。 誰れだ? 誰れだ?よし こんな野郎はな邪魔ばっかりしやがるからふん縛ってやらあ。 この野郎! こうしてやらあ!これで 動きがとれねえだろう。 其の要助は 吉田の公達。 その怨みの云い様をおせえてやるから 覚悟しろ!ああ~!たあっ!お前の惚れて居る要助だ。 おっ 何しやがんだ この野郎。 おい! やあ!待ちやがれ この野郎!あ~!おくみちゃん お待遠様。