白石加代子の「百物語」がいよいよ 最終公演を迎える。 お祭礼だと思って白石加代子 72歳。 ふだんの 穏やかで飾らない人柄から死ね! 死ね死ね死ね死ね南無阿弥陀仏!死ね死ね! 死ね死ね!死ね! 死ね! 死ね!ゆうべか 今夜か 前世でしょうか。 演出家の鴨下信一は 「岸辺のアルバム」「ふぞろいの林檎たち」など人気ドラマを手がけたテレビ界の大御所。 「百物語」最後の作品は泉 鏡花の「天守物語」。
こちらは 白石加代子の「百物語」。 姫路城の天守閣に魔物が棲むという伝説をもとに鏡花は 妖怪・富姫と鷹匠・図書之助の恋物語を描いた。 図書之助がいるのは窮屈な武家社会。 鏡花の奔放な想像力は「見えない世界」なんて迷信でしょ?…って 思ってやしませんか?えっ 私が誰かって?私は獅子頭。 「見えない世界」が見えるかどうかは あなた次第ですけど…17の登場人物を浮かび上がらせるために鴨下から白石に細かい注文が出る。 すると 見えないはずの登場人物が観客の想像の世界を飛び回るのだ。
フフフッ。 「幽玄の世界に行くなあ」。 「百物語」ファイナルです。 ファイナルです!今日は本番用の衣装かつらをつける。 鴨下は天空の世界をイメージさせたいと「明かりを」。 白石は なるべく止めず先に進めたい。 「小田原修理 山隅九平」。 「小田原修理」で見えてくるんじゃなくて「討手どやどやと入り込み…」。 立ち上がるタイミングや体の向き次々とダメが出る。 フフフフフッ。 白石の 息抜きの空間がある。 頂きま~す!白石は昭和16年 真珠湾攻撃の翌日に 東京・麻布で生まれた。
演じ分けるキャラクターがまた1つ増えた。 「百物語」は やっぱり不思議な感じを最初に印象づけようっておっしゃって…。 キャラクターが変わるごとに色分けする。 舞台で溺れかけた白石は この本番台本に しがみついて生き延びた。 白石が遅咲きながらも役者の道に たどりついたのは晩年は認知症との闘いだった。 「百物語」最後の公演に挑む白石は改めて 着物に見入る。 妖怪・富姫と図書之助の恋を成就させる。 人間社会を見下ろして 見えないものたちが 勝利を謳歌する。 「天守物語」の舞台 姫路城。