日本の話芸 落語「ん廻(まわ)し」

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この番組のまとめ

この お弟子さんは 親方の所に365日 寝泊まりしてその技を習得するという事を聞きますが我々 落語家も 師匠の家に365日住み込みで修業する内弟子と外に アパートを借りて 朝師匠の所へ やって来る外弟子と2つに分かれておりますが私の場合は外弟子でした。 アパートの6畳1間を すぐ上の兄弟子と 2人で借りましてその6畳の畳を3枚ずつ 使うんですが借りた時に 兄弟子が「お前 窓側 使っていい うん。

兄弟子と 二階掃除してたら 不注意で猫が来て 食べちゃって申し訳ありません」って謝った。 それから雨が降ろうが 槍が降ろうが玄関ところへ ジ~ッとしてると大体 10日ぐらいで 師匠から「そんなに やりてえんならもう一度 やり直せ」という声がかかってまた 修業が始まります。 自分の師匠からじかに 教わるのと他の師匠の所へ出かけていくいわゆる 出稽古の2つですね。 そこで 他の師匠の呼吸も必要になって出稽古に行くという事になりますが 私が前座の頃は橘ノ圓師匠の所へよく 出稽古に行きました。

で うちの師匠の場合にはお風呂が好きですから弟子たちに 稽古をつける時には師匠が お風呂へ入ってで 弟子は その前の板の間に座って 対面する形で「師匠。 よろしく お願いします」と言うと頭に 手拭いを載っけた師匠がお風呂から首 顔が出てますから一席 ぶつという事になります。 と 弟子としてはその仕草が気になりますから「あれっ? 一体 どういう仕草してんだろう?」ってんで一斉にお風呂の中を覗きますと師匠が ただ 股ぐらを掻いてるだけだったという…。

表の長屋 角の所なで 私ゃ この豆腐を使った木の芽田楽が大好きでねそこでお前さんたちにも せっかくこの長屋で商売をしていこうという豆腐屋さんだ。 これから よろしくという事でねその 私の好きな木の芽田楽を 皆さんにご馳走しようと思ってな。 お前さん木の芽田楽は好きかい?」。 「結構ですね木の芽田楽 いいですね。 木の芽田楽って 何です?」。

「昔ね 金持ちの旦那が 隅田川で深川の芸者衆 40人を貸し切って舟へ乗せましてね いわゆる舟遊びってやつですよ。 持ち込んだ酒肴で楽しく やってたんですがね猪牙舟の定員が 10人のところへ40人も乗せたもんですからね想像以上に 舟が沈みましてそこへ 横から ド~ンと大波が来たから たまりませんよあっという間に舟が ひっくり返って乗っていた芸者衆が 40人が水を飲んだり岸へ 頭 ぶつけたりして 大けが。

「へい『ん』が入っているのは広沢虎造『清水次郎長』です」。 私は 侠客博打打ちが好きですからね」。 甲州 上州 武州といったら結構な博打打ちがおりますからね。 寺津間之助 西尾治助見附の小和田友蔵藤枝 長楽寺清兵衛伊豆の大場久八富士郡 宮島歳三雲風亀吉といったらすごいからね」。 その東海道 数ある博打打ちの中で駿河の国は 安倍郡清水湊 有渡町に住む山本長五郎通称 清水次郎長。 もう 年ですからね ええいろんな所がギシギシ 痛みましてねこの間も 病院へ行ったら関節炎だと言われましてあらっ 6本ですね。