パリ白熱教室・選 第1回「“21世紀の資本論”~格差はこうして生まれる〜」

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この番組のまとめ

ピケティ教授の 研究の集大成「21世紀の資本」はアメリカで 50万部を超えるベストセラーを記録。 不平等の歴史的推移を整合性のとれた方法で計測した初めての経済学者だった。 こうした研究が最近まで行われなかった理由はテーマ自体が 経済学者にとっては歴史的すぎ歴史学者にとっては経済的すぎたという事だ。 「ゴリオ爺さん」という作品を知っているよね?そこでは 有名な ヴォートランとラスティニャックの会話というのがある。

巨額の ボーナス支払いの結果起きたにもかかわらずつまり 社会のトップ1%への所得集中が 特に大きい アメリカが震源地となったのが重要なポイントだ。 アメリカの最上位1%が国の総所得の どの程度を占めているか分かる人いる?惜しいな。 上位1%は 現在アメリカ総所得の約25%を占めている。 どれくらいか 分かるかな?誰か分かる?所得上位10%のシェアは この期間からまで上昇したが資産は60%から90%にまで上昇した。

資産所有の格差は所得の格差よりも大きいと説明したが100年前と比べて現在の大きな特徴はかなりの資産を持った中間層が存在する事だ。 かつては所得上位10%だけで社会全体の資産の90%を占め中間層40%と下位50%はそれぞれ 5%ずつ保有するというありさまで中間層は20から30%の資産を保有する。 この問題に答えるためには総資産 そのものの変化と資産分配の不平等の変化その両方を区別して考える必要がある。 さっきのものと 少し似ていてU字型をしているが不平等の指数ではなく総資産の割合を示したものだ。

法則は 2つあって一つはこの資本所得比率の「β」が利潤シェア「α」 つまり 国民所得に占める資本収益の割合と私は これを「資本主義の第一の基本法則」と呼んでいる。 長期の生産性の増加率は0.8%だと説明したが成長率が ゼロに近づくにつれて資本所得比率βは無限に上昇する事が分かる。 成長率が ゼロというのは極端だがそのような場合に 貯蓄を毎年続けそれが 投資されれば資産が破壊されて資本所得比率が小さかった1950年代を懐かしく思う必要もない。