「永代橋の場」と「新三殺し」のところが 雨そして 白子屋お熊江戸市中引き回しの時に黄八丈の振り袖を着ておりましたところから黙阿弥が 「梅雨小袖昔八丈」とタイトルをつけました。 頼まれた人たちが それとなく心にかけております中に白子屋に出入りする車力の善八の橋渡しで大伝馬町 木綿問屋桑名屋宗右衛門の番頭 又四郎が5百両の金を持参して婿に入りました。
深川 冨吉町家主 長兵衛の長屋。 「何だ 何だい!手前が弥太五郎源七ならこの俺も 入墨の新三郎だ。 たとえ 芋掘りでも『お願えします』と頭 下げてくりゃ 女はただでも 帰してやるものを下手な小細工 しやがって白子屋から いくら取ったか知らねえが弥太五郎源七で脅しをかけてくるからにゃ傍で見ておりました善八驚いて急いで 金を かき集めると懐へ入れ。 あの野郎が弥太五郎源七ってんだが言いながら木戸を出ようとする後ろから…。 「な~に私の長屋 世間で 喧嘩長屋と評判が立ってんだ。
それを 俺の前で入墨新三たぁ 何だ!」。 嫌なら 白子屋へ つこうか?大家といやぁ 親も同然。 店子といやぁ 子も同然。 ああ 地獄店でも結構だ地獄 もっともだ ハハハ。 駕籠賃と祝儀は先方から出るからな。 手前の野郎に な~?女が惚れるもんか。 大家といえば 親も同様。 店子といやぁ 子も同様」。 「だから 手前はぼんくらだってんだ。 手前が 15両 取って山分けだ。 手前のような奴がいるからお上の ご苦労が絶えねえんだ。