将棋界の頂点に君臨し続ける羽生さんにとってチェス界の風雲児 カスパロフさんは憧れの存在。 絶頂期のさなか突然 引退を宣言したカスパロフさんに尋ねたのはずばり 天才の引き際について。 実は18年前 人工知能に世界チャンピオンとして初めて敗北した カスパロフさん。 じっと耐えながら反撃の機会をうかがう カスパロフさん。 中盤 羽生名人はカスパロフさんの守りの要カスパロフさんは 引き分けに持ち込む事ができます。 羽生さんは カスパロフさんとの対談を心待ちにしていました。
カスパロフさんは 1963年当時のソビエト連邦南部の都市バクーで生まれました。 10歳で元世界チャンピオンのミハイル・ボトヴィニクにその才能を見いだされ英才教育を受けてめきめきと頭角を現しました。 今でも語りぐさとなっているのが21歳で 当時のチャンピオンアナトリー・カルポフに挑戦したカスパロフさんは この死闘を制し史上最年少の22歳でチャンピオンになったのです。
記憶力というのは極めて個人的な能力です。 私を育ててくれたコーチのミハイル・ボトヴィニクは自分には そんな記憶力はないとやきもちを焼いていました。 でも 記憶力は役に立ちますがそれだけで チェスが強くなるというわけではありません。 私の前のチャンピオンのカルポフにしても記憶力はそれほどでもありませんでした。
一方の カスパロフさん。 例えば カスパロフさんはたくさんの若い人を見ると思うんですけれども例えば そういう人のゲームを見たりして1ゲーム見るだけでも 才能があるかどうか分かるものです。 そういう人が 更に チャンピオンとかを目指して 強くなっていく時にいわゆる チェスだけ 一生懸命練習しているっていう方法が何か違う事をやるのでもいいですし そういう事とかが役に立つとか そういう事はあると思われますか?私の場合 人生を楽しむ事は 常にチェスよりも大きなものでした。
それはやはり何ていうかそういう 引退をされたという決断をされたんで何ていうか リラックスできるというかちょっと解放されたというかそのような感覚みたいなものもあったという事でしょうか?リラックスしているとは言いませんが確かにチェスをしていたころのようなプレッシャーは ないですね。 今は チェスとは違うプレッシャーを感じながらチェスで培った創造力を違う世界で生かしています。
行き先を入力すれば 目的地に運んでくれる自動運転車や30年後には 人類を超えると言われる人工知能。 これから先未来にそういうものが進歩していった時に技術的にどういうような事が起こるとかあるいは その 社会とかその人間に対してどのような影響を与えるかと思われますか?人工知能の問題はもはや SFの話ではありません。