日本の話芸 落語「火焔(えん)太鼓」

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この番組のまとめ

それやのに うちのおやじは自分の名刺に 電話番号書いとったんでございます。 向かいの人の家の電話番号書いてまんねん。 その名刺には何と書いてあるかいうたら「呼び出し電話」って書いてまんねん。 ひともうけできるで』『何やねん?』って聞いたら『あのな 太閤秀吉さんの直筆の手紙やねん』。 『これな太閤さんの直筆という証拠はそれが何よりの証拠や』。 あの宛名見て あんたおかしいと思わなんだか?何て書いてあった? 『いとしの紫式部様』と書いてあったやろ。

『お嬢さん これから よろしゅうにお頼申します』ちゅうたらな『太兵衛 今までと違うねんで。 誰が 太鼓をたたけっちゅうてんねん。 ドン!ア ドドンガドン! ア ドドンガドン!」。 あのな こんな町ん中で太鼓 ドンドン鳴らしたら近所から うるさい やかましいいうて 苦情が来るさかい音せんようにほこりだけ はたきなはれ」。 「先ほどからねええ太鼓の音色が聞こえておりますがこちらさんでございますか?」。 前々から太鼓をシュウシュウなさってる。

八つ過ぎには おりますのでそのころに 太鼓を ご持参頂きたいんでございますがな」。 「手前どもは鰻谷の住友でございましてな」。 「鰻谷の住友でございます」。 申し遅れましたが 手前ども鰻谷の住友吉左衛門の所でこれ 口で言うたり聞いたりしたら間違いが起こります。 『鰻谷 住友吉左衛門内番頭 佐助。 本日 八つ過ぎに太鼓をご持参頂きたく…』。 「どこの誰やって あのな鰻谷の住友 言うてはった」。 「鰻谷の住友やて!」。 「鰻谷の あの住友はんか?」。 「何でやねん? 何で 私が住友はんと友達やねんな。

えっ ああいう ご大家はな蔵屋敷のお役人とおつきあいが あんねん。 えっ『あの お役人様この道具屋が 汚い太鼓押し売りするのでございます。 さあ おかみさんに怒られましてね太兵衛さんと 丁稚の定吉つぁんでこの汚い太鼓きれいに きれ~いに磨き上げました。 大八車に載せましてゴロゴロ ゴロゴロ ガラガラ ガラガラ。 「あのね 私あの~ 道具屋でございますけどこちらの番頭さんに佐助さんに頼まれてね 太鼓を持ってまいったんでございます」。

はい とにかくね 話が済んだら佐助が参りますけど主人が太鼓が見たい見たいと申しておりますので奥へ運ばしてもらいます。 ちょ ちょ ちょ…今日 この太鼓をね持ってきたという事をその蔵屋敷のお役人にはないしょにしといて下さいよ」。 「いえいえ そんな事はよろしいんですけど何ですかその蔵屋敷のお役人というのはこの襖の向こうに隠れとるんでございますか?」。 え~ 道具屋さん え〜 この度あの太鼓は いかほどで?」。

ほな 申し上げますがなこの度 主人はできましたら あの太鼓3百両でお願いしたいとこう申しておるんでございますが」。 「はっ!? 3百両!?あの汚い太鼓が?そんなムチャ 言われたら困りますわ。 それ 3百両って あんたそんなん ムチャクチャでっせ。 主人は なんとか3百両でお願いしたいと申しておるんでございますが。 このお盆の上に3百両 載っておりますのでどうぞ これ お納めのほどを」。 えっ これ3百両でっか? これ あのね 私見た事おませんのや こんな。