ETV特集「よみがえる超絶技巧 輪島塗・貝桶プロジェクトの2年」

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この番組のまとめ

貝桶の外側には蒔絵で描かれた黄金の菊。 現代の工芸の世界では類のない職人技だといいます。 前代未聞の挑戦に参加したのは専門が違う50人の職人たちでした。 手本にしたのは 江戸の中期に作られた 毛利家ゆかりの貝桶。 輪島塗の名で知られる漆器の街石川県輪島市。 この街で 貝桶復活プロジェクトは立ち上がりました。 プロジェクトの棟梁は 北村辰夫さん。 毛利家の家紋を描いた貝桶の高さは 50センチ。 江戸時代の漆職人の仕事ぶりを描いた 当時の絵図。

その… 一番大きなポイントは木地を作る人それから 塗る人 蒔絵…相反した部分があるんですけどそこをうまく競合させていくコミュニケーションを どうやってとるか。 そうすると あとはもう性格までも理解しながらコミュニケーションをとって作るわけですから それが一番大切ですね。 蒔絵とはきれいに塗り上げた器の上に何層にもわたり漆を塗り重ね金粉や色粉を蒔きながら絵を描いていく手法です蒔絵は 金粉や色粉を調整しながら少しずつ蒔いていく事で光や色彩の微妙な変化を描く事ができます。

これまで蒔絵の職人と会話する事も上野さんは不安な表情が隠せません。 上野さんが受け取った練習用の板。 リーダーの上野さんの作業場はリビングの隣にありました。 立体感を出すという初めての課題に作業は なかなか はかどりません。 上野さん 最初のサンプルの完成がようやく見えてきました。 うん… 一息なんですけどその一息っていうかその一つ一つの完成度を上げたい植物が 22種類ありますのでいや ほんとに 最後までどうなるか分からない状態です。

気谷さんは 上野さんの手元を見つめるだけ。 沈金を施す時 ノミは蒔絵の層に入れるのですが力を入れすぎた上野さんのノミは漆の層まで削ってしまったのです。 イチョウの仕上げに悩む気谷さんに蒔絵の大ベテランの崕さんが声をかけました。 沈金師と蒔絵師が同じところにいるのに沈金の繊細なノミで描き出していきます。 上野さんが描いたゴールデンワトルは貝桶の蓋の真ん中に輝きました。 2年間 格闘を続けてきた貝桶プロジェクト。 このプロジェクトを北村さんに依頼したのは オーストラリアの人でした。