作家 高橋源一郎さんが今こそ読むべき「斜陽」の魅力を読み解きます。 高橋源一郎さんは もうほんと近代日本文学の中で一人選ぶなら太宰 治というほど太宰 治を評価してらっしゃる。 数ある作品の中から今回は また なぜ「斜陽」を?彼が亡くなる1年前に刊行されたやつで太宰 治って人が 何を考えて何を みんなに言いたかったかというのは「斜陽」を読めば 分かると。 登場人物でかず子の弟の直治というのと太宰をモデルにした 上原という作家が出るんですがこの2人が 駄目すぎる!今の「だめんず」の元祖。
大体有名なのは この「斜陽」というのは 恋愛の話なのでこの かず子と上原という恋愛がクローズアップされるんですがこのお母さんがですねこれがまたちょっと浮世離れした人でございまして。 礼儀作法に とらわれずとも天性の優雅さを持つ母。 本当に ここのシーンは僕大好きな所で冒頭の所で もう お母さんがどんな人か分かってしまう。 でも自分はもう その跡を継いでるけど偽物? というぐらい…まあ これ貴族なんですけど要するに太宰って こういう…その様子が とても はかなくかつ美しく見えるんですよね。
例えば エデンの園の伝説でね…それから女性性 生命力そういったものですね。 太宰 治は自分の小説の愛読者という一人の女性から手紙をもらいました。 作家志望だった太田静子。 静子に目をかけた太宰はこんなアドバイスをします。 だからもう 一番最初に僕が感心したところは女性の独白を男性が書ける…。 その人の声をまねたんで発想とか 感覚とか 世界観を完全に 太宰は自分のものにして書いた。