ひやかしってぇなぁ どっから生まれた言葉なんだろうどこの語源だろうと思っていろいろと うん 聞いてみた調べてみましたらもう これ以上は紙にならないっていうそれを 水に潤かしとく。 こっちの見世 あっちの見世俺は このごろよもう 向こうに居っ放しだろ？時々 家に帰るのを遊びに行くと心得てんだよ」。 俺ぁね 時々 家へ帰るのを遊びに行くと心得…」。
このごろ ほら え～ 活動写真？活動写真なんて…。 ところが 活動写真なんてなぁ俺は 見る気 しねえんだ。 知らねえうちに足が 勝手に 北の方角目指して 歩きだしやがってよ俺ぁ 足に言ったよ『ばか野郎 今日は お前 俺はで それがどんどん 近づいてくるから『しょうがねえや じゃあ まぁ今日は ひやかしだけだよ』ってひやかし 行った。
それから こんなズルズル ズルズル チビチビ チビチビお茶 飲んでるうちに向こうのほうからね妓の上草履の音がパタ～ン パタ〜ン パタ〜ン パタ〜ンパタ〜ン パタ〜ン パタ〜ン パタ〜ンそれが こうパタ～ン パタ〜ン パタ〜ン パタン「何だ？ お前の面を見て逃げ出した奴がいるの？ウ～ン 確かにねまずい面だけどね…」。 「ね？ で 村にいる頃同じ村の若い男と知り合って何つったかな？源さんっつったか源三郎っつったか源四郎っつったか分からねえけどその男と知り合っていい仲になっちまった。
実はね来年とは言わず 再来年には所帯 持ちたい』ってこう 言うから『おう おう そうかい？いや いや そんな情のあつい女なら 俺は もうありがてえやな うんかみさんにするよ』。 俺ぁ おう おう おう お前一本槍だから 安心しねえ』。 さっき 黒子無えと思ったんだけどな』。 もう 眠くなっても 『駄目 駄目まだ まだ』ってんでねあ～ もう一晩中 攻めたてられてさ〜もう 今朝 表へ出た時ゃ 表お天道様が黄色く見えて」。 「安大黒ってぇの」。 ゾッとしないな安大黒ってのは。
奉公して その奉公先でそれぞれ 一生懸命 働いて金をこしらえてそれでもって 商売を始めようと思ったけどもなんたって 商売なんて そううまくいくもんじゃねえやな。 な～？ それでもってよ ああある時 表で バッタリ 会った時に『これじゃ 金は できねえからえ～ どうだい？頭金になるような金を作りてえんだがどうにかならねえかい？』って俺が 相談をもちかけるというと『それじゃ私が 苦界とやらに身を沈めてお金を こしらえるからそれで お前さん商売を始めてちょうだい。