日本の話芸・選 落語「花見の仇(あだ)討」

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この番組のまとめ

『さぁさぁ 寄っておつけなせえ』ってんでな火玉を ポ~ンと はたいてコロコロッと 転がってく その火玉をズ~ッと 追ってってで ヒョイと 見上げたのが深編笠の中の 浪人の顔だ。 ここで会うたは盲亀の浮木 優曇華の花 待ちえたる今日ただいまいざ 立ち上がって 尋常に勝負 勝負』ってな事を言うんだ。 『ああ いかにもその方たちの父親は武門の意気地をもって討ち果たしたがいや 仇呼ばわり 片腹痛え両名共 不憫ながら返り討ちに致してくれよう』。

ヨ~オッ ヨヨヨイ ヨヨヨイヨヨヨイヨイ』ってんで 手を締めてあとは 三味線を弾いて…」。 ♪「トトンテ トッチリチン ツ~ン チリチンツシャン」♪「あっ ソ~レ かっぽれ かっぽれ」「って みんなで総踊りをするんだよ。 「な~? 今まで本物の仇討ちだと思ってね『どうなるか? 人死にが出るんじゃねえか』なんてこうやって 見てた奴がさ『何だよ おいこれ 花見の趣向だよ。 ♪「トトンテ トッチリチン」「って これで やらなきゃ。 「あっ そう?ええ? ヘヘヘ これを追って深編笠の中の顔…。

何年以前…。 7年以前 我が父を 国元において討って 立ち退きし大悪人。 な?ああ ここんとこでな ええ?『花 待ちえたる今日ただいま』か何か 言ったら そっちで『いざ 立ち上がって 尋常に勝負』 『勝負』ってんで俺が 編笠を取る。 俺がね 清水堂の脇の立派な桜があるからその根方へ居るからな。 ♪「トトンテ トッチリチンチン」「エヘヘヘ 楽しみだね~」。 上野のお山袴越から上がろうってんで広徳寺の所まで参りましたら本所の伯父さんに会っちゃった。

ええ?あのね 伯父さんこんな格好してるけどこらぁ 本物じゃねえんですよ花見の趣向なんですよ」。 「じゃあ 伯父さん家 行って伯母さんに訳を話して見逃してもらおう」と思ったら伯母さん 買い物行っちゃって 留守なんだ。 じゃあ 酒 飲ませて酔い潰してしまおう」ってんで背負っておりますこの笈櫃の中から酒肴を出してこう 飲ませ始めたんですがこの伯父さんがまた 酒が ばかに強い。 さぁ そんな事をしているとは知りません巡礼兄弟 二人はお山を まっすぐに 御成街道をやって参りまして。

天下は泰平に流れるといえどもこうして 仇を つけ狙う孝子両名あ~ 見上げたものだ。 うまく 仇に出会うた時に我々がおったら助太刀を致してくれまするでな。 本当に もう 早く 来い。 そっち 行っちゃっちゃ駄目だろう 本当に もう。 「大笑いじゃないよ もう仇同士が 仲よく 喋ってたらおかしいだろう?第一 お前たちの来ようが遅えからよ俺は こうやって 座ってるだろこんな格好して本物の侍が来るんだよ。 「プウ~ッ や〜 汝は郡山武蔵よな」。 そのうちには また物見高いは 江戸の常ですから大勢が寄ってくる。

巡礼兄弟がカ~ッ 強そうな仇にかかってるよ〜。 「そうかい?お~い 巡礼兄弟しっかり やれよ〜。 「巡礼兄弟 しっかり やれよ~」。 「ええ 討つほうは巡礼兄弟で若えんですよ。 「何? 巡礼兄弟が? 近藤。 最前御成街道で出会うた孝子両名見事に仇に出会うたようじゃ。 「助太刀じゃ」。 「助太刀? どっちに?」。 「言わずと知れた 巡礼兄弟に」。 「ありがてえね おい ええ?旦那が 助太刀に入った。 お~い 巡礼兄弟〜喜べ〜 助太刀が来たぞ〜。 助太刀だぞ~」。 「助太刀って何?」。