ETV特集「“浦”によせる物語~作家・小野正嗣を育んだ蒲江〜」

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この番組のまとめ

その一つが 作家 小野正嗣さんの生まれ故郷…「私たちは ずっとこの小さな浦に住んでいます。 「複雑に入り組んだ海岸線から山際まで魚たちの腐臭が入り混じった潮のにおいが日がな一日 瀰漫しているような幅の狭い土地です。 みんな 等しく貧乏であるという事がお互いの間に 妬みや嫉みといった感情が生まれ芥川賞受賞作「九年前の祈り」。 おかあさん 何ですか それは?これはですね受賞の知らせを受けた時にあまりにも うれしくて史敬に報告してるところです。 兄の史敬さんは芥川賞発表の3か月前脳腫瘍で この世を去りました。

谷澤さんは手書きの広告を作るなど小野さんの作品を紹介してくれる強力な助っ人です。 「九年前の祈り」は病気に苦しむ兄「病気という不穏な言葉にもかかわらずそして いま 彼女が置かれた見通しの決してよいとは言えない展望にもかかわらず急に 雲間から 一筋の光がさし『渡辺ミツ』という名がさなえを照らした。 おかえり!小野さんは妻と長女を東京に残し3人の子供と一緒に浦に帰省しました。 小野さんの小説の至る所に顔をのぞかせていた兄の存在。 小野さん方の取材でしばらくお邪魔してるんですけど。

だから… 僕は そういうある田舎の集落という事にそういう場所が やっぱり尊いんじゃないかというふうな思いもあります。 佐藤先生が教えてくれたという事を 私に伝えようと。 初盆を迎えた家族が集まり盆踊りの準備をするのが浦の習わしです。 いや むしろ この単調で厄介な責務を果たす者をずっと探していた土地それ自体がカタツムリの触角には手を伸ばせないのにこの 誰もやりたがらない任務から逃げられないように信男を いまあるような状態に閉じ込めてしまったかのようだった」。

だから 僕 「九年前の祈り」でね島に着いて 覚えてない道を主人公の安藤さなえという人が歩いてる時に墓の横を通ったじゃないですか。 それが 小説を書く時に僕の頭の中に 多分また よみがえってきて僕が 小説に書いているのはこの場所じゃないのかこの風景じゃないのか あるいはこの波音じゃないのかってね。 供えてある花枝は むしり取って何か 芸術作品を創っているのだと言わんばかりに墓石の周囲に撒き散らす。 浦の老婆たちは人間の死者を弔う墓地なのにこまめに墓に行くようになるご先祖さんに顔を見する事も増ゆる。

兄のいない この浦で 小野さんは新しい小説を書き始めていました。 仮面ライダーなのに シュワッチって。 人物として 出てなくても何か そういうものが作品の中の 重要な雰囲気として大気として出てるという事はあると思いますよ。 お誕生日 おめでとう。 史敬さんの誕生日です。 史おじちゃん誕生日おめでとうってな。 お誕生日 おめでとうって言ったもんね。