ロイヤル・アカデミー 音楽白熱教室 第3回「個人の時代の音楽~ベートーベン」

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この番組のまとめ

世界トップクラスの音楽家である教授たちから技術だけではなく 芸術性を学び優れた音楽家として成長させるのがアカデミーの使命です。 作曲家 指揮者としても活躍する多才な音楽家です。 モーツァルトと同じく ベートーベンもピアニストで作曲家でしたがフランス革命後の彼の時代には自らの運を切り開く「個人」の存在や英雄を求める新しい機運が高まっていました。 古典派音楽の集大成ロマン派の先駆けとして西洋音楽史上最も重要な作曲家です。

1780年代中ごろのモーツァルトの時代には音楽家は 他の音楽家との関係性によって自己を定義するという考え方でしたがそれが 個人は それぞれ特別で独自の意見を持つものであるという考え方へ変化しました。

楽章の終わりには初期の作品としてはとてつもなく長い終結部があり和音においても音の運びについても 追随を許さない究極さが見られます。 極端さを強調した演奏は好きですか?それとも 悪趣味だと思いますか?バランスをとった方がいいと思いますか?もちろん 私の技術的な限界やピアノの練習不足は別問題です。 バッハのカンタータがメッセージを伝えるようにピアニストが演説者であるべきだという重要な指摘ですね。 つまり 演奏者としてこうした過激な作品は何らかの方法で極端さを表現すべきだという事ですね。

これは戦争 つまりナポレオンが終わらせた革命戦争を意味するものかもしれませんし自由と政治的理想のために亡くなった英雄たちを追悼するものかもしれません。 第3楽章では 狩りを例えにして勇猛さを表現した遊び心のある表現でそして 究極の第4楽章は道徳心 精神性 芸術教育そして 理想の自己像の形成をフィナーレとする主題で築かれた巨大で幻想的な変奏曲とフーガです。 ベートーベンは フランスの首都のために曲を書いていたので交響曲「英雄」に使われている多くの表現はフランスの音楽 特に革命時代の音楽から来たものです。

それは 第1楽章の再現部の冒頭覚えていらっしゃると思いますが大きなクライマックスに達してから…。 これは ベートーベンが作曲した19世紀最初の十数年の全ての音楽に反映されています。 つまり 「Happy Birthday」や「God Save the Queen」のようなシンプルな曲でも 「歓喜の歌」よりも多くの音を使っているのです。 私は弾きませんがアリエルここへ来てこの楽章について簡単に説明してもらえるかい?というのは この第1楽章は「運命」と「第九」で語られている英雄物語を一つの楽章に凝縮している。