日曜美術館「民家巡歴~向井潤吉の戦後〜」

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この番組のまとめ

♪~向井の民家は自然と共に暮らしてきた日本人の原風景として多くの人々に郷愁を呼び起こしてきました。 大きく変貌する農村の中で土地の風土が築き上げた茅葺の家を飽かず描いた向井潤吉。 茅葺民家が次々に姿を消す高度成長の時代。 向井潤吉は 北は北海道から南は鹿児島まで全国津々浦々を行脚し民家を描き続けました。

戦後半世紀近くにわたって民家ばかりを描き続けた向井潤吉。 しかし 空襲の前にはそんな作業もむなしく姿を消して行くのを知ったからでありまた敗戦という思いがけぬ歴史的変化で向井は 初めて民家の絵を描きました。 アッという間に新建材の家に代わるしダムの建設であと方もなく消えることもあるし山あいの茅葺民家が一挙に消える原因の一つとなったのがダムでした。 1967年に始まった関越自動車道の工事は向井が頻繁に通い詰めた武蔵野の風景を激変させました。

大分以前から秘境ではなくなったがダム工事の飯場や それを目当てのパチンコ屋 映画館 小料理屋が出現するようになっては生活の根底も郷土を愛する気持ちもとうに浮き上がってしまって滅びたのも同様に違いないと思われる」。 御母衣ダムの近くに国の重要文化財となっている合掌造りの民家旧遠山家があります。 ダムに沈んだ御母衣の民家を代表させるように向井は旧遠山家を絵にとどめました。