日本の話芸 講談「徂徠豆腐」

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この番組のまとめ

江戸時代の大学者荻生惣右衛門 徂徠先生。 江戸へ出てまいりまして芝 三縁山増上寺の近く残っているのが本ばかり。 気の毒な事に 徂徠先生おとついから 食べる物が何にも なくなった。 さあ これを聞くと徂徠先生 もう たまりません。 「豆腐屋さん… 豆腐屋さん…」。 「豆腐屋さん…」。 「へい お待ち!」ってんでこれを受け取りますと 徂徠先生小さな皿に残っていた醤油をタラタラッと かけるってえとそのまんま…。 でもね そうやって「え~ 芝 三縁山増上寺の門前でね 親代々の豆腐屋で上総屋七兵衛と申します」。

「豆腐屋さんの前だがな 世の中で何が うまいといって食べるのに皮をむく手間もなければ…」。 「豆腐屋さん あいにくと細かいのがないから まとめて」。 「豆腐屋さん あいにくと大きいのがないから まとめて」。 「豆腐屋さん細かいのが ないくらいだからあの 豆腐の代ってえのは一体 いつごろ頂ける?」。 そんな あっしにね豆腐屋さん 申し訳ねえって頭 下げてくれるその気持ちが うれしいじゃござんせんか。

「あら まあ 豆腐屋さんかい。 うん お隣の先生ね2~3日前から フラフラッと見えなくなっちゃったの」。 「フラフラッと? ふ~ん…。 あおりを受けまして上総屋さんも 火に焼かれた。 夫婦が もう 箸一本 持たず裸同然で焼け出さちゃった。 「七兵衛夫婦が焼け出された。 「うちに おいでよ」と 友達が声をかけてくれますから「はい あの…私が上総屋でございますが」。 「確かに 上総屋七兵衛さんと伺っております。

実は その さるお方からね頼まれました豆腐屋の店でございますがねあらかた めどがつきましてね形になったところへ今日 その さるお方がね見にまいりましたのでここまで来ましたらばちょいと ご挨拶にってんでねご案内をしたんでございます。 いや 実は あれから 間もなしに縁があって柳沢美濃守様の お見いだしにあずかり将軍家ご学問所に出仕800石の食禄を頂く身分と相成りましてなすぐにも ご挨拶をと思ったところに折悪しく 起こりましたあの赤穂浪士の討ち入り事件。