井田さんは この3月に「NHKニュースウオッチ9」を卒業してそして 現在は 民放で朝のお天気を担当なさっています。 でも 陽炎って バアバア バアバア立ってるじゃないですか。 ええ~っ!私 投句をするのに「歳時記」を見ると私の「歳時記」では「陽炎」が天文 「逃水」が地理。 しかもね 季節だけじゃなくって「陽炎」は 「万葉集」の時代から使われてるんですけど「逃水」が 季語としてはのっかってるけど 例句はない。 そんなイメージだったんだけどあの心臓部が1匹の陽炎だったんですね。
もう これは日本の陽炎じゃなくってサバンナの豪快な陽炎じゃない?う~ん。 しかも 狙っているのが巨象ですからどれだけの距離で どれだけの陽炎を見てるのこの人。 しかも ばしゃばしゃ使ってるんだろうと思った瞬間に「描く陽炎」が出てくる訳です。 これ 画布の上なんで本物の陽炎ではないけどその向こうに この人は明らかに 陽炎を見ながらどれぐらい溶けば この陽炎のゆらゆら感が描けるんだろうって。 オスマントルコの軍隊がこっちに向かって現れてくる。
たくさんある塊だというふうに考えた時に陽炎の中に私の1人分が入っていくとその1人分が凹むのではないかと。 これは 俳人らしい陽炎の捉え方ですよね。 気象予報士は こういうは感じないでしょうね。 むしろ 陽炎の隙間を縫っていくみたいな…。 入選した九句のうち「陽炎」が 6句「逃水」が 3句でした。 気象予報士。 じゃ その気象予報士の気象の観点から見た 井田さん。 そういう人が海外とか アフリカとか 行ってこういう とんでもない陽炎見た時に皆さん 躊躇なさるんですよ。
陽炎というのは「逃げる」というこの一字の印象が 非常に強く一句のイメージを固定していく訳ですね。 「交差点 陽炎に浮く 千の足」。 陽炎って… どうですか?…となったらここ 「陽炎」じゃなくって「逃水」って来た方がちゃんと 地面というこの大事なポイントがこれもね 陽炎の向こうにね塔が見える句たくさんあったんですけれどもピサの斜塔まさに 傾いてるからゆらゆらしてるってその感じ いいですよね。