日本の話芸 桂文我 落語「紺田屋」

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この番組のまとめ

♪~京都へ上って参りまして 縮緬を薄利多売 儲けは薄うしてたくさんの方に喜んでもらおうという商売を致しましたところこれが当たりまして どんどんどんどん お客さんがやって来る。 また 近所では「今小町 今小町」と言われるほどの器量良しでございます。 それから首に ぶら下げる この 頭陀袋その中に 五十両のお金を入れてもらいたい」。 閻魔の庁へ参りまして閻魔さんに この五十両を渡してあとから来る親を極楽へ通して頂きたいとお願いして参りますので」。 頭陀袋の中には五十両 入れるさかい」。

忠兵衛夫婦 ウワ~ッとそこへ 泣き崩れてしまいます。 そのうちに 親戚縁者が集まって参りますわね。 そして 首には五十両の入りましたこの 頭陀袋をぶら下げてで 周りには こうぎょうさん 上等の縮緬の反物を詰めまして 蓋を致します。 その前で 忠兵衛夫婦が泣いて 泣いて致しますんでね…。 とりあえず 明日な通夜に寄せてもらおう」というので親戚縁者は 帰ってしまう。 土葬に致しますとお棺を納めた分だけ土が余りますんでね こう富士山形の土饅頭というのができます。

そのまま 引きずり込まれてなエッエッ 喉笛 かぶられる」。 エッエッ ハア~ッあんさん 生き返りはりました」。 ただ 女子の一人旅というのは心細い。 観世音菩そのものでございます。 店の売掛金を集めますというとそれを掴んで 逐電逃げてしまいます。 二番番頭が逃げる 三番番頭が逃げる 手代が逃げる。 終いに残りましたのは こらぁもう 丁稚連中だけになった。 四国 西国を グル~リ 回りまして京都へ戻って参りましたのがこれが 3年経ったある日の事でございます。 浅草の浅草寺。

あっ「巡礼に ご報謝をよろしゅう お願い致します」。 「あのなご巡礼がお立ちになった。 ご巡礼。 南無大悲 大悲の観世音菩。 あ~ あのご巡礼か ハイハイハイ。 「ええか? 言葉 丁寧にな『ご巡礼は 元 京都三条室町にお住まいやございませんでしたか?』とこう 聞いてきてくれるか?」。 「ご巡礼は元 京都三条室町にお住まいやございませんでしたか?」。 何で 知ってなさんねやろな?ええ? はい 仰るとおり私は 元 京都三条室町に住まいを致しておりました」。 紺田屋忠兵衛じゃ」。

あ あんた… あんた お江戸へ来てなはったんかいな。 クシュン。 「はい先ほど お立ちになりました紺田屋の主を致しております」。 本家紺田屋でな。 元の旦那が行くとあんたが 気ぃ遣うよってにな私ゃ もう これ札所へ行きます」。 ハイハイハイハイ ハイハイ。 ア~ラまた 立派な お座敷じゃな〜。 この前へ座って フカフカの座布団。 新七じゃ。 新七っ いや 紺田屋の旦那。 新七が 墓返しして?頭陀袋 引っ張ったら ここ紐がかかって 餅が落ちた?」。