日曜美術館「裸体画こそアートだ “近代絵画の父”黒田清輝の格闘」

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この番組のまとめ

♪~明治から大正にかけて西洋画を 日本に根づかせようとしましたがその生涯は 裸体画問題との格闘に明け暮れました。 黒田の裸体画は 風俗をかき乱すと世間の非難を浴びこの絵はついに警察の介入を招きます。 裸体画こそ西洋画の神髄だと考えた黒田清輝の格闘の姿を追います。 こちらは「朝妝」という 朝の身支度の女性の絵ですけれども作品は 戦災で失われてしまったんですが黒田清輝の画業の中で本当に大きな意味を持っている作品だと思います。 日本の美術の将来にとっても裸体画の悪いという事は決してない。

「今度 卒業試験の様な心持で日本への御土産のためだからこそ 黒田はごうごうたる非難にも裸体画が アートだというもう確信があったようですね。 まさに本当に 黒田はある意味多感な時期をフランスという場で過ごしてるわけですけどその留学中にも名作を残していますがその一つがこの「読書」ですよね。

黒田は 日本人モデルを元にしながら理想的なプロポーションに作り替えていったのではないかと言われます。 日本人の 理想的な身体像というものを一つ確立をしないと現実に生きてる人間という事を もとにした理想的な表現というのは なかなかできないというふうにパリで 万国博覧会が開かれました。 この輪郭線というのは基本的には日本絵画の背景が金地なんですね。 博覧会に出品した日本の洋画家たちの中で黒田だけが 銀牌を受賞しました。

ですけれど 黒田にしてみますとあまり そういうふうに生身の人間というのを思わせるように描いてしまうとまた 裸体画論争の渦中でもありますのでそれで 「智・感・情」という題名をわざと 謎かけのようにして付けているんですよね。 こういった ちょっと非対称の構図といいますかこういう工夫というのは やはり日本人の美意識を感じさせるところです。

ですので そういうものを環境を整えなければ個人の画家がどんなに頑張ってもなかなか 日本の美術は国際的にならないなという事を自分の制作という事はちょっと 一旦置いてその環境づくりというものに尽力しているような節があります。