ETV特集「お墓のゆくえ~弔いの社会史〜」

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この番組のまとめ

平成27年度 都立霊園使用者の 公開抽選を始めます。 毎年夏 恒例の東京都の公営墓地抽選会です。 一般の都営霊園の申し込みのルールとして遺骨を抱えている人に限られます。 自宅安置の遺骨は関東圏で3年前に永代供養の墓を作りました。 7,200基の遺骨収蔵庫が並ぶ最新の機械式納骨堂です。 都営霊園の抽選の様子を見れば大変な競争率ですから足りない事になります。 逆に 大型納骨堂などの現場を見れば遺骨を大量に収容するため余ってくると想像できます。

キリスト教を恐れる幕府は寺請制度でキリシタンでない事を証明させ檀家としました。 檀家と寺の強い結びつきは江戸時代の庶民を管理する重要な制度でした。 彼岸の墓参りや法事などは檀家制度と共に成熟し今に伝わりました。 もともと 檀家制度は江戸以来の古い慣習です。 橋本住職は理想とする宗教活動に檀家制度が手枷足枷となる面を感じていました。 葬儀 法事の際のお布施寺の増改築への協力金護持会費と呼ばれる墓守料など檀家からの資金は重要です。 見性院は戦時中の熊谷空襲で焼け落ちましたが檀家の献身的な協力で復興した寺です。

もっと広く檀家以外の人が来てくれるようなふうにしないと近代国家への脱皮を目指した明治時代生活の糧を得る田畑と家が近接していました。 昭和20年代後半から20年あまりは地方から都市へ大量に人が移動する時代でした。 人口集中は都市の墓需要を喚起しました。 都市への人口集中によって地方の家族は分裂しました。 地方では高齢化や過疎化を食い止める事ができず空き家は増加し 墓の継承に苦心惨憺する家も珍しくはありません。 今まで 代々 代々継いでいった家制度時代のお墓と今の人たちの生活形態と生き方が合わなくなっている。

土木工事現場を渡り歩き福島の原子力発電所にも仕事を求めていました。 上海市では海葬に協力した遺族には葬儀費用の一部を補助するなどの奨励策をとっています。 アメリカは ロケット技術を駆使した宇宙葬などの日本に代理業者を置き 既に予約の募集が始まっています。 町や村といった地域的なつながりも親類縁者といった血縁も超えて一緒に入る事を前提とした墓でした。 安穏廟に集まる人々はお墓が一緒という仲間意識で結ばれていました。 伴侶のない単身女性の活動から誕生したのが京都・常寂光寺の志縁でした。

戦後に制定された墓地埋葬法では墓地以外での遺骨の埋蔵を禁じています。 法務省見解を機に 散骨が日本の弔いに広がりました。 高度経済成長期前に出来た法律がいまだにありますから今 葬送儀礼が家意識の持ったものでは去年のデータでは63万5,000組の婚姻に対して22万5,000組が離婚しています。 都営霊園の抽選会応募者のうち約半数が樹木葬への応募でした。 OECD経済協力開発機構の調査です。 日本人は 家族以外の人とのつきあいが苦手で調査した国の中で一番 他人との交流が少ない国という結果が出ています。