日本の話芸 柳亭市馬 落語「大工調べ」

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この番組のまとめ

江戸は火事早い所で一丁 仕事が入りました時に自分の手足の如くに若い者が動いてくれる こらぁふだん ちゃんとしてないとなかなか そうは参りませんでなふだんから 若い者の面倒をちゃんと見て具合の悪い奴は医者にかけるお金の都合の悪い奴はお金を都合してやる自分の懐都合がもし 悪かったら質ぃ置いてでも若い者の面倒を見るという。 明日っから仕事が始まるんだから今日中に 道具箱を向こうへ入れてな明日は 手ぶらで仕事場へ行かれようってぇこれが職人の貫禄ってもんだ。

店賃の滞りがあってその形にってんで大家さんに道具箱を持ってかれたとこういう訳じゃねえのか?」。 「一両二分と八百」。 これを持ってって訳を話して下手へ出て道具箱 もらってこい」。 「一両二分だよ」。 「いや 増やそうってんじゃねえけどね大家さん所の店賃の滞りが一両二分と八百なんだよ。 で 今 棟梁が 額 6枚出してくれて 一両二分だろ?で 私が これを持って一両二分がある訳だからそれを 大家さん所 行って一両二分と八…」。 なにも一両二分と八百んところを八百 持ってって グズグズ言う訳じゃねえんだよ。

あと八百は どうしたんだ?」。 足りねえ八百は どうしたぃ?」。 「あ~ あとの八百はねえ〜 おんの字」。 お前の差金野郎を ここへ連れてこい。 「指矩 道具箱へ入ってる」。 「道具箱を返してくれよ」。 「あと八百 持ってきな。 道具箱 くれねえで それお金だけ 取って。 道具箱は?」。 「う~ん?じゃあ 道具箱は くれねえ銭だけ取り上げ婆か?」。 「いや何があったったって 棟梁あたぼうってぇのあんまり 流行らねえな」。 あと八百 どうした?』ってぇから うん『八百は おんの字だ』ってそう 言ったんだ。

え~ この野郎は まぁ仕事をさせりゃ一人前以上の仕事をしますし第一 親孝行者なんでねええ 仲間の者も みんな目ぇ かけてやってるんですが。 いい仕事が出来ましてねお屋敷の ええまぁ 番町のほうですからねあれは 1年か 1年半は続こうってぇ 大仕事になるんで。 で 一両二分と八百んところは分かってたんですが持ち合わせが 一両二分しかありませんので野郎に それを持たしてこちらへ上がらせたような訳なんです。

何だい? そのあとのあとんところうん 『その八百はついででもありましたらお宅へ持ってきましょう。 道具箱さえありゃねいくらだって 仕事もできるし金だって 稼げるんだよ。 その八百のこって私が こうやって頭 下げてるんでござんすから事を分けて頂いて野郎に 道具箱を返してくれたっていいじゃござんせんか」。 『八百のこって 私が来て 頭を下げてるんでござんすから道具箱を返してくれたっていいじゃありませんか』ってお前 誰に 口をきいてるんだ。 私ゃな この界隈じゃちったぁ 驚かれた ああ因業大家ですよ。

目も鼻も無え 血も涙も無え野郎だから 丸太ん棒ってんだぃ。 手前の運の向いたのはな ここの六兵衛さんが死んでからだよ。 六兵衛番太の死んだのを忘れるってぇと この野郎罰が当たるぞ。 六兵衛はな町内で評判の焼き芋屋だ。 場違えな芋を仕入れやがって焚きつけ 惜しむからガリガリの生焼けの芋でもってなそんな芋を食って腹 下して 死んだ野郎が何人 いるか 分からねえんだこの人殺しめ」。 「まあ~ よく ベラベラ ベラベラ喋りやがんな この野郎。