日曜美術館「埃(ほこり)まで描いた男~不思議な画家・モランディ〜」

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この番組のまとめ

一見 何の変哲もないモランディの静物画に人々は なぜ惹きつけられるのでしょうか。 モランディの器は 劇場の舞台でスポットライトを浴びるプリマドンナのように見えます。 私は今回初めて モランディの作品を実際に見たんですがよぉく見てみると 全てが違くてほんとに不思議な魅力を持っているなって感じますね。 ミステリアスで謎めいた雰囲気に満ちたモランディの作品ですがそもそも そのモランディ自身どんな人物なのかその人間と そして芸術を探っていきましょう。

そういうモランディの最終作品に近いんですが ここで見ているとあるいは 二つのものが溶け合ってですねそういう状態に きてしまってるんではないかなと思うんですね。 具体的に 入江さんがどこのモランディの作品にどのように惹かれたのかを作品を見ながらひもといていこうと思うんですが例えば この作品でいうとどういったところに?この絵は割合モランディとしては珍しくて組み合わせを楽しんでいるというところが。

入江さん このモランディの静物画において全く打ち破って新しい形の静物画のスタイルを打ち立てた人だというふうに思います。 この作品でいいますとモランディらしさの特徴が いわば明るい色の隣に暗い色 そういう明度対比のドラマといいますかねそれを 実に生き生きと楽しんでるところがあると思うんですね。 つまりモランディの色になってしまってこれは例えば イエローオーカーだとかホワイトだとかっていう絵の具に名前がついてるんだけどももうここへ塗ったら その名前では言えない色になっている。

でも 考えてみますとモランディが生きた時代というのは政治的にも大戦が繰り返されて激動の時代ですし芸術運動ひとつ見てもいろんな キュビズムやいろんな こう激しく動きがあった時代なのにそれなのに あえてやはりそこに背を向けて静かに描き続けた。 これは入江さんはどう思いますか?若い時にはね 未来派の運動とか形而上派の運動に若干関わって僕は その事は モランディの仕事にかなりの部分で影響を与えてたと思うんですけどもそういう運動に引きずられる事はなかったと思うんですね。