こころの時代~宗教・人生〜「祈りの色を染める」

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この番組のまとめ

人々は こうした色を暮らしに取り入れる事に長年 自然素材の染料で染める技を極める事に取り組み正倉院宝物の復元や歴史ある神社や寺が祭礼や法要で使うさまざまな供え物や飾りの品を調える事にも携わっています。 ちょうど100m地下までパイプがいってまして私ね 江戸時代以前のねたくさんの染織品を見てきたわけですよね。

紅花の染織方法というのは簡単に申し上げると水で洗うと黄色が流れていくんです。 日本の国は江戸時代の終わりを境にですねいっぺんに科学文明が入ってきますからそれ以前はそのとおりやってたわけでそういう事をモットーとしてるんですね。 吉岡さんは 歴史を紡いで人々が探し出してきた自然素材の染料が生み出す色にはたどりつきがたい奥深さを感じると言います。

これ 平安時代の初期の今でいえば 法律施行要綱みたいなもんですからね。 これね この中にある材料だけ考えましてもねその色を その染料を使って自分たちの精神性精神性というと大げさだけど季節感に表すためにいろいろ使っていると。 季節の それぞれの自然の美しさをよく見て 自分のおしゃれに…おしゃれにといったらいいのか表情に出してくる という事が日本人の色だと私は思ってるわけですね。 だから 紫の季節というのは藤に始まって そしてカキツバタ アヤメそして桐。

本でも 美術全集みたいなのがいっぱいあってうちの父なんか 別に 染織なのに陶器の本も買ってくる。 大学を卒業すると出版社へ就職しますが2年余り勤めたあと1973年 美術工芸を専門とする出版社を 京都で設立して独立。 出版社を立ち上げて5年余りたった頃吉岡さんのもとに ある出版物を編集する依頼が舞い込みます。 メトロポリタン美術館とかね大英博物館とか英国のヴィクトリア アンド アルバート ミュージアムとかね。

それ やってる途中に広告代理店からも仕事の話が来てね。 「染織の美」のシリーズのお仕事をする中で改めて ご自身の家のなりわい染めの仕事についてそういう感じは全然なかったですからね。 出版の仕事で 忙しい毎日を送っていた吉岡さんに染織の世界へ どっぷりとつかるきっかけが訪れます。 常雄さんは 「帝王紫」と呼ばれる古代の紫色の美しさに魅了されその復元に精力を傾けていました。 帝王紫は古くから高貴な色とされ3,000年以上前の古代アンデス文明の遺跡でも帝王紫で染められた布などが発掘されています。

東大寺や薬師寺の年中行事の中の一部を担ってるという責任感がね 僕を帰らせたと思っていますからね。 そこで行われる 他の行事にも衣装とか何かをね古代のやり方どおり やってみたいというような事はこちらも思ってて向こうも思っておられたのでちょうど うまく合体できたというのかな。 それで 伎楽の装束とかねそれから 庭の幡って書いて「庭幡」って読むんですけど慶賀の日に フラッグを立ててますね。 いろんな きれのサンプルがあったもんですから。 サンプル?はい。 これ 紅花残ってるんですよ 色がね。

もう 奈良時代とか平安時代の方がピークに来ていてですね平成の染め屋なんて どの辺まで下ってるのかと思うぐらいのあれなんですね。 だから 僕も古代古代古典古典と言ってますけれども現代性とか 現代的応用というものも探らないといや もう自分の全てだと思いますしね。 色は自然と思えばいいしそうすると畏敬とか畏怖の念が出てくるしそれが全部 自分に降りかかってくるもんだと思ってる。 今日 お話を伺ってきて四季の豊かな 日本の自然の中にある色を使って自然の命も頂きながら色を染めておられるのが吉岡さんのお仕事なんですね。