日本画家 田渕俊夫画伯ご奉納によるこの浄土図は たった一人の画家に託されました。 日本画の巨匠 田渕俊夫。 巨大なパネルが 東京・渋谷にある田渕さんのアトリエに運ばれます。 田渕さんに白羽の矢が立てられるきっかけとなった水墨画が京都の東山にあります。 薬師寺の山田管長はこの絵に感銘を受け日本画の伝統を継承しながらも新しい表現を追求してきた田渕さんに 食堂の本尊になる絵を託したのでした。 田渕さんが これから描くのは阿弥陀如来を中心にした浄土図です。
元は どうしても人間 目鼻立ち全てが人間なんですけれどかなり様式的でありながらかなり写実的。 ただ それを象徴的に何かを こう目ひとつでも全てを見つめてるのかなぁとそう思って見ると どういう顔を作り上げるかという事の中でやはり皆を救うような 特に今回は阿弥陀様なもんですから救いを求める人たちにどういう顔で接するかという事を考えた時にそういう表現というのはどういうふうになってるか随分考えながら 描いてましたね。 田渕さんの手から生まれた阿弥陀如来です。
しかし その前日 夜になって田渕さんの体調が急変し家内と慌てて病院へ行ってほんとに危機一髪で。 入院から2か月後命の危機を乗り越えなんとか回復した田渕さんの姿が鎌倉にありました。 田渕さんはこれからの画家としての人生を再スタートする前に訪ねたい所がありました。 山の中腹に 日本画の歴史に大きく名をとどめる前田青の家が保存されています。 これは 田渕さんが好きな前田青の絵です。 日本画の絵の具は膠で溶いて 和紙に塗ります。