日本の話芸 柳家小満ん 落語「鉄拐」

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この番組のまとめ

♪~これは 正岡子規の句でございまして李白のことを言ってるんでございましょうが「李白一斗 詩百編」と言って唐の詩人 李白というお方は一斗の酒を飲んで その間にこれはやはり 李白でございますが「両人対酌」というのは「二人でもって酒を酌み交わして一杯 一杯 また 一杯」。 本年は 南のほうへ道を取りまして蘇州から紹興景徳鎮から南昌そこで分かりませんでしたら重慶へ上って昆明から シーサンパンナミャンマーから ネパール」。 「インド パキスタンから アフガニスタン」。

糸のような煙が出てきてだんだん だんだん これが広がっていって 人形をなしてハッと 気が付いた時にはいま一人の鉄拐さんが杖をついて トコトコ トコトコ。 ス~ッと息を吸うと 同じようにトコトコ トコトコ 歩いてだんだん 近づいてきて煙のようんなって口の中へ ス~ッと収まって。 「私は 申し遅れましたが北京の上海屋唐左衛門の店の番頭でございますが手前の主人の所でお人寄せがございましてその席で 如何でございましょう?ただ今の その一身分体の術 ご披露頂けませんでしょうか?」。

え~ 旦那様利兵衛でございます。 「え~ 本年は大変 難儀を致しましてそれこそ もう虎の尾を踏まんばかりの所へ迷い込みましたがおかげで 図らずも このまぁ 仙人に お目にかかる事ができ… 鉄拐仙人という。 まずは お目どおり頂戴まで…」てんで きっかけを渡すと緞帳幕がス~ッと 上がりますてぇと鉄拐さんが 昆布と若布のニュー・モードかなんかで ね~杖をついて飄然と 立っております。 「え~ 鉄拐仙人お目どおり 叶いますれば早速ながら芸道に移らせます。

ああ 一枚看板でもって大きな幟なぞを立てるてぇともう 評判を呼んでおりますから連日 満員御礼。 ひとつ家の伜なんでございますがえ~ 先生の弟子になりたいという。 それでもまぁ 先生の お身の回りの小間使い同様で結構でございますがお傍へおいて頂くだけで」。 じゃあ お許しが出たから内弟子という事で いいかい?しっかり 気を遣ってね。 そっちの小さいのはシジミっ貝とでもするか」なんてんで「厄介」 「ちょっかい」「シジミっ貝」なんて 3人ばかり弟子ができたりなんかしてね。

「ハハア~ 張果老。 「ええあなたのお仲間でございます鉄拐さんが北京でもって大人気でございまして ええご自分を吹くというのでもう なんでございます里へ下りたってぇの聞いたが。 じゃあ 先生ひとつ 里のほうへ」なんてんで 連れてきて一枚看板で 寄席を打ってみると芸が派手でございますからお客がガラッと こっちへ移って鉄拐さんが暇んなっちゃってね。 張果老だな?ああ~ あんな外連はなすぐ 飽きられるんだ。