♪~大正時代の木版画です。 西洋画の技法を取り入れ見た事のない作品を次々生みました。 その驚きの木版画は一体どうやって生まれたのか?今回 残された版木をもとに謎とされてきた技法の解明に挑みました。 さあ この吉田 博の作品初めてご覧になるんですよね?はい 初めて拝見します。 吉田 博って ほんとに反骨の人というかですねそういう生きざまとこの絵の… 絵というか版画のギャップもありますよね。 これが 博が九州を旅行した時のスケッチブックですけれども博が見た風景を通して祖父を知ろうとしてきました。
博は 木版画の面白さに初めて目覚めます。 吉田 博の第一人者研究者でいらっしゃいます安永幸一さんです。 私なんか 木版画でね これだけ色というか 明るさとかほんとに こういう表現がすごいなというふうに思うんですけれども。 やっぱり 吉田 博の場合は自分が昔やった水彩とか油絵のそういう洋風の技術を日本の伝統的な木版画の中に持ち込もうというあるいは空気であるとかそういうふうなものをいかに木版画で表現するかというそこに彼の木版画におけるほんとに新しいスタイルの版画表現ですよね 確実にね。
空気の奥行きとか 湿りとかそれから立体感とか 遠近感とか洋画の画法を 浮世絵の伝統のぼかしを使って表現していると。 博は 西洋画でつかんだ奥行きや立体感を版の摺りを徹底的に重ねる手法で生み出していました。 奥歯をギュッとかみしめながら彫ったようなところが薄い色のねずみ版を30回以上 摺り重ねて究極の木版画は完成に至っていました。 こういう所の こういうとことかこういうとことか…「木版画だからこれができるな」とかっていう新しい方向が見えてきたという事じゃないでしょうかね。