噺の方に お殿様というのが出てまいりますけどもねまあ 大体相場は決まってましてね住んでるとこが まあ 大体麹町近辺でございましてね名前が赤井御門守様という。 将棋盤 将棋盤を持て!」。 この将棋盤というのがすごい将棋盤でね「え~ 手前はもう 並べてございます」。 まあ 『歩』といって 振りまして『歩』が出れば 殿は先手裏の『と金』が出ますと 手前が先手という事になりますが」。
殿も まあ つまらん将棋などというものに」。 手前も 昨夜二親といろいろ話をしました。 そうしましたら そうして殿の将棋のお相手をするのもこれも奉公の一つであると」。 「もう 将棋盤は出てるようだな。 ん? もう 参ったのかな?「ん? その方たちはな向上心というものがない。 この鉄扇を賭けて勝負に挑もうではないか」。 向上心が湧いてくるであろう」。 将棋をやって 負けた者からまいりましょう」なんてんでね結局は 将棋というやつで。
「えっ あの田中氏のな やかん頭がぷ~っと膨れるのを見るのも「殿 殿! じいめにございます」。 「おう じい 参ったか!武学 軍学また この算木から割り出したその若侍の敵討ちに参りました」。 「いや だから その その『桂馬』はそれは取ってはならぬ!」。 「始まりました 始まりましたよ始まりましたよ えっ!さあ これから田中氏が どう出ますか?これは見ものでござるな これは」。 その『桂馬』を取られるとな余の言葉に背いても その『桂馬』を取ろうと申すのか?」。