児童心理学者のアリソン・ゴプニックは人間が 初めて自分を認識するのはいつなのかを解明しようとしています。 鏡に映ってる子は だあれ?鏡の中にいる子と 自分が同一人物だと分かったようです。 一つ 聞いていい?なに?開ける前は 何が入っていると思ったんだっけ?信じる事が変わっても自分が自分である事に変わりはないと理解した時子供たちは 初めて「記憶」という巨大な能力を活用できるようになります。 手術を受けた 27歳以降自分は何者かという感覚を失ったままになったのです。
被験者が未来の想像をしている間にすると 記憶の形成に関係しているはずの海馬が活発に反応している事が分かりました。 本当に ターリだった?そう 振る舞っているだけなんでしょうか?あるいは その記憶に関する脳内の情報を実際に書き換えているんでしょうか?社会的プレッシャーには話の流れを変える力があります。 これは 表向きの意見を変えただけなのでしょうか?それとも 本当に記憶が書き換えられてしまったのでしょうか?1週間後に またテストを行いますが今度は社会的プレッシャーはなしです。
記憶が変わった人たちの脳は記憶を形成する海馬だけでなく情動や社会的反応に関わる領域「扁桃体」も活発な動きを見せていました。 情緒的な影響を受け扁桃体が活性化し間違った記憶を作り上げたのです。 扁桃体に着目する事で長期記憶として定着する記憶としない記憶を予測できます。 絶え間なく 社会から与えられる情報や影響によって私たちのアイデンティティーは少しずつ 形を変えているのです。 では それを一歩 推し進めて自らのアイデンティティーを意図的に再構築する事はできるのでしょうか。
しかし ある科学者は記憶を変える方法事によると 自分の在り方まで作り替えてしまう方法を交通量の多い大通りもあれば特定の情報だけが通る細い道もあります。 ある記憶が 長期記憶の貯蔵庫までたどりつこうとした場合PKMゼータによる交通整理が大きな役割を果たすという事です。 長期記憶は 今の自分を作りこれから先も持ち続けるものです。 これを 生物の脳に注入したら本当に 長期記憶の形成や保持が妨げられるのでしょうか?実験の論理はとても単純なものです。
心理学者のアラン・ブリュネはPTSDの治療法を専門に研究しています。 PTSDは一種の記憶障害だと言えます。 情緒に強く働きかける記憶の場合脳内のタンパク質が ニューロン間のつながりを作り上げます。 記憶という名のインクは一度乾いたら消す事はできないと多くの科学者は考えています。 何かを思い出す時その記憶は 再度 活性化し電気的な活動が活発になります。 最初のステップは トラウマとなった出来事を文章に書き声に出して読み上げ つらい記憶を整然と呼び起こす事です。