♪~「酒飲みはやっこ豆腐に さも 似たり初め 四角でも 末は グズグズ」なんて事を言う。 まぁ お酒と噺家てぇとどうしても 頭に浮かぶのは「昭和の名人」古今亭志ん生。 そこへいくてぇと私の師匠でした五代目小さんまぁ 丈夫でしたな。 まぁ 年が年でしたからね~ちょうど昼間 寄席が終わって次の仕事まで時間があるんでね近場でマッサージ かかってたらいびき かいて寝ちゃったのよ。
「ええ? で 片身 こう 刺身であと 片身 塩焼きとかいろんな事 やって食ってみようじゃねえか。 「その先にもう一軒 酒屋があんな?」。 「あと しばらく 橋を渡ってよ右っ側の角にな伊勢屋って酒屋があんだよ。 「でも 酒飲みなんてのは意地の汚えもんでよたとえ お猪口に 一杯でも余計 注がれると何か 得したような気がするんだよ。 だから 俺そこへ行く時はよいつも 一升瓶に1合 買いにいくんだよ」。 「一升瓶に 1合?」。 俺 お前ん家 来るにはな何軒も 酒屋を通り越して 来んだよ。
あ~ お前器用だから 大丈夫だな。 だけど あの野郎そそっかしいな ええ?鯛の頭と尻尾だけ見て『大きい 大きい』ってやんだ。 三枚に おろすも 端っから頭と尻尾しか無えんだよ」。 『実は これ 三枚に おろしてここで 塩をしてるてぇと台所のほうでガタガタっつう。 「おっ ところでよ魚のほうは大丈夫か?」。 そりゃ そうだけどよお前も知ってるとおり俺ぁ 独り者だ な?ふだんからよ留守番は頼む 火種は もらう『今度 こんな物 煮たけどお上がんなさいな』」。
どうせ 奴はね一合上戸でよあとは 全部俺が やっちゃうんだ。 胃袋と酒が会話してるよ『どうしたの? お前さん最近 顔 見せないで』なんて フフフ。 『ハハハ また うまい事 言って。 「もう半分ぐれえいいかな~?どうせ 奴は一合上戸でよあとは みんな俺が やっちゃうんだから。 ワ~ッハハハハハいっペぇになっちゃったこらぁ。 どうせね奴は一合上戸でね うんチビチビ なめながら飲もうってんだから。 「奴の分 この燗徳利にとっといてやろ。
したら 野郎ピイ~ッと 逃げやがった。 『ふざけんな』ってんで俺は もう カ~ッ 追っかけてええ? なんだぃ こう 部屋中グルグル グルグル 回ってよで なんだぃ そうしたらなんだぃ 後ろ足でもってあの~ 一升瓶を ピイ〜ッと蹴っとばしやがって ええ?こっちは 燗をしようと思って蓋 取っといたもんだから中の酒は ドクドクドク』。 だけど あの野郎 何をグズグズしてやんだろな~?早く 帰ってきて 一緒に飲むがいいじゃねえか。 「だけど あの野郎 帰ってきたら驚くだろうね ええ?『酒がないよ』なんて。