まずは 文楽親子劇場と題して上演された「新編西遊記 ＧＯ ＷＥＳＴ！玉うさぎの涙」をお送りします。 むかしむかしの その昔もっともっと も～っと昔尊いお経を頂くためひたすら西へ十四年旅のゴールは あと僅か天竺国へさしかかる遙かに隔つ 岸から岸へ虹と煌めく翼の橋をお待ち下され 嫦娥さま！喧しいぞ 八戒！何を騒ぐ と。 悟空 沙悟浄 八戒のあまり大きな寝言を聞きかね堂の内より立ち出ずれば八戒 ぼんやり辺りを見回しこりゃ 目を覚ませ。 ワッハッハ！はあ～っ！八戒 ええ加減に泣き止まぬか！いや 悟空。
ええ～ お前が当たって王さまになるんやったら 当たった婿さん 王さまに えらい出世 えらい出世と男は 皆々 着飾って 三蔵主従 布金禅寺を後にして 天竺国に着きけるがお師匠さま。 群衆に紛れ真実を確かめようと 大道に人馬行き交う王城の前 今か今かと 運命の裁き定まる時を待つ クルリ パッと雀になり かしこを目がけて 飛んで行く 人々見回し 大音声いやよ 皆の者 よっく聞け。 かねて 触れおきし通り本日は我が天竺国の 王女さまの婿選び。 王女 しずしずと歩み出で 三蔵の肩の上お師匠さま あの王女は…。
ワシが頼む曲げてこの縁談叶えてくれぬか？ バタバタバタと足音乱して役人どもお師匠さま！よくぞ ご無事で！三蔵 声掛け控えよ 王の御前じゃ！と 言葉に三人 王に向かって頭を垂れ国王陛下に申し上げます。 と聞くより おう！ と 八戒は 手にした熊手を振りかざす 不思議や 王女の影は逆さま と聞くより 王女の形相は 次第次第に変わり果ていま少しにてこの法師の精気吸い取り幾万年もこの世界に長らえんと思いしに。
八戒ひらりと 熊手を払う ピョンと飛び立つ偽王女 やらじと悟空が回り込み 鋭く繰り出す如意棒をひらりとかわして打ち返す 右へ逃げれば 右へ追い左へ攻めれば 左で受ける さすがに悟空 八戒のあの方角には 昨日の寺。
呉服屋 金仲屋の主人 金左衛門の金への執着が巻き起こす騒動が朝昼晩の一日の出来事で描かれます。 一方 金左衛門の娘 お高を羽振りのよい呉服屋徳右衛門の後妻にして持参金を得ようとしますがこちらも 番頭の行平と恋仲。