こころの時代~宗教・人生〜 アンコール「“自分”を超えて」

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この番組のまとめ

人体を解剖しながら 人間存在を見つめてきた養老さんが若い頃からずっと関心を持ってきたのが「自分」という問題です学校なんかでも 随分言われたようでございますが最近は あんまり聞かないようですけれども自分探しという自分というのは確かに みんな 自分は自分だと思ってるでしょうけれどもなんか 自分の塊みたいなものはあるもんでしょうか。 自分探しっていうのは多分ですね 若い人がある日本の世間の雰囲気の中で本当の自分があるはずだという感覚を知らず知らずに植えつけられてると思うんですね。

それから 仕事…自分探しをする若者がある時期 フリーターと称してね仕事がないんでその時に 「なぜ フリーターしてんだ」って言われた時に「自分に合った仕事を探してる」。 それで 私が若い頃ですと自分について難しく言うと「西洋近代的自我」って言ってたんですね。 それを表現としては 「自分本位」と「自己本位」というふうに表現した。 自己本位って言葉は今 それだけ聞くと自分本位でいい意味になりませんでしょ。

例えば アメリカは典型ですけどもアメリカ人の言う自分っていうのは自己っていうのはある状況で ものを選択していく。 あの年からそれを強制されてきたらそれは アメリカ人は自分で選んで生きていく。 大学生に アンケート調査したってアメリカの教授がねハーバード・ビジネス・スクールの教授ですけども京都大学とアメリカの大学でね同じ事をやるんですね。

「7割が無宗教に丸つけてますけどこれは どういう意味でしょうか」ってね。 そうすると 7割は仏教なんですよ無意識に。 それで これは面白いと思うんでやっぱり 日本人は宗教基本的に無意識に入れちゃってますよね。 だから 特定の時にひょっと表面化しますからそれを 「困った時の神頼み」とかね悪口言ってますけどでもね ずっと信心してるってのはある意味で異常で。 それは 南無阿弥陀仏でも南無妙法蓮華経でもね無の字ですからそうすると それがそのまんま 無宗教っていうふうになってんじゃないかなって。

「色」「受」の場合は インプットとおっしゃいましたけれども最初に「園精舎の鐘の声諸行無常の響きあり」と。 でも 700年前から「園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり」でひと言も変わってないですよね。 どこが諸行無常ですかって。 テキストっていうんですけどあの場合はテキストですけど文章によるテキストであれ写真であれ テレビであれ日替わりでないと困りますよ。 それは もっと短く言えば古代ギリシャにも全く同じ考えがあってパンタレイって 「万物 流転する」。

そうするとね それだけ感覚が鋭いのはなぜかといいますとね言葉ができないので感覚に依存するでしょう。 それでね 例えば 音ですとね彼らは 端的にいって絶対音感なんですよ。 絶対音感ってのは 音の振動数で音を決めてしまいますからよく 例で言うと ウグイスの鳴き声が「ホーホケキョ」なんですけどこれね 日本人は 「ホーホケキョ」ってウグイスなんですよね。 だけどウグイスは いくら「ホーホケキョ」って私が言っても 寄ってこない。

人間ってのは それをどんどん進めていきましたから感覚無視する世界をつくっていく。 これが面白くてですね 僕は面白くてしょうがないですからよく 講演する時は 白板にね例えば 赤いサインペンで「青」って書くんです。 いや 面白いなと思ったのはですね今 お話になってた事がそれが 一番大事だと思うと。 だけど それがない世界というのは非常に大変だけども逆に私は自由ですね。 だから そこが西洋的な自由と日本型の自由の非常に違うところ。

一次視覚野ってありまして目から網膜に入ったものは一応 全部見えたままを記録しちゃうんですよ。 動物に近いとこをまだ残してますからよく言うのはね 間違い探しってそっくりな絵を何枚か並べて2枚並べてね 「どこ 違う?」というテストをすると大人より子供の数字がはるかにいいんですね。 それを 自然見てるとそういう事が解毒されるというかね。 日本の場合はね鎌倉時代は ここが鎌倉なんで。 自然を見るというのは私は知覚を回復する「供養」という言葉自体が。 これはね 非常に日本的ではないかって最近思うようになりまして。

これもねなんちゅう事ないんですけど私は解剖やってましたんで実は「解剖体慰霊祭」という解剖された方の供養というのは医学部では年に1度必ずやってるんですね。 面白かったのはね「日本におけるキリスト教の歴史」という本を書かれたアメリカ人がいてその人の本を読んでましたら「創始者のカーネル・サンダースがそれを聞いたら墓の中でひっくり返るだろう」って書いてあるんです。

先生と同じようなその脳の神経解剖学者というような事のようですけれども。 そうすると 右が働くって左が比較的働きが悪くて例えばね アメリカ人の患者さんでね脳腫瘍のために 左右の脳を切り離す結果になったんですけど。 見るとね 一生懸命開けようとしている右手を左手で邪魔してるんです。 それ 「エイリアンハンド」っていうんですけどね。 だってね まあ 神経細胞1,000億って言われててそれが全部 しかも 極端な数つながり合ってますからシナプスの数にすると1つの細胞でも1万あっても不思議じゃないという事ですからね。

そのテイラーさんの記録を一種のドキュメンタリータッチで書かれてるのを見ると面白いなぁという その人間の脳の不思議さみたいなのがあるテストケースとして読むと それはそれで面白いなと思ったんですが。 だから 近代医学に相談しなくてもあのころの人だって皆さん 自分が どんどん どんどん入れ代わってるもんだって事は知ってるんですよね。 でも それの科学的な裏付けというのが脳科学なんかやってくると 大体はっきりしてくるという意味では。