日本の話芸 三遊亭小遊三 落語「付き馬」

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この番組のまとめ

んな事はもう よくある話でございまして明くる朝 誰に 勘定を取ってきてもらったかってえと大門のところで客待ちをしている馬子さん。 俗に牛というこの牛が馬になって ついてくというね牛になったり 馬になったり随分と重宝なやつがいるもんでございまして郭に ひが入る 夕景この妓夫太郎 牛 若い衆が盛んに客を引いておりまして「いかがなんざしょうなちょいちょいちょい 旦那え~ いい子がそろっておりますんでなちょいと一晩のご理解を」。 「お~一文無しが 吉原の大門くぐってブラブラしてる訳はねえとこう言いてえのか」。

四の五の言わず 宵勘だの何だのかんだの抜きにしてあがったところで遠慮なんてえのはこれっぱかりもしませんでさあ 刺身持ってこい天ぷら持ってこいうなぎ持ってこい。 よく こういうとこでさ一杯飲んでどんちゃん騒ぎをしている途中 憚りなんぞへ行って窓から ヒョイとねお月さん見てさ 『俺はこんなとこで こんな事してていいのかな?』なんてね妙に里心がつくって事あるけどゆうべばかりはそんな事はなかったね。 で あの…お勘定なんでございますが」。 「ああ 勘定。 いくら? ゆんべの勘定」。

叔母さんきれい好きだからな酒の臭いなんぞさせてくと『お酒臭いわよ!』なんてな事言ってねしくじっちゃうといけないからさあっ 朝湯 行こう。 ほら 湯豆腐 湯豆腐。 湯豆腐 ワ~ッと食べて ほら。 さっきねあの五円札世の中へ出そうじゃないの。 あの五円札だってねお前さんの がまぐちの隅でもって一生過ごしちゃうってえのは悔しいよ これは。 ねえ そうでしょう?世の中へ出してやれば広々としたところへあんな しわくちゃな五円札でもス~ッと泳ごうってもんですよ。 五円札 ほらね。

♪「チャ~ン チャ〜ンチャ ランチャンチャンチャンチャンチャン チャンチャン チャラチャンチャン」♪「チャラチャンチャン チャンチャンチャン」「な~んて…。 あっ 人形焼き食べない?人形焼き。 虫歯で食べらんない?不思議だね。 ご同情致しますよ 本当にさ。 田町の叔母さんは死んじゃったんだけど田原町に叔父さんがいるの」。 「本当だよ~! あっ だけどなちょいと 商売がさ…」。 「早桶屋 葬儀屋さんなんだよ。 葬儀屋さんですか?結構な商売じゃありませんか。 じゃあね 叔父さんから50円もらう。

「で 叔父さんに 是非ともこしらえて頂きたいんでございますが 叔父さん」。 「はあ~ ずぬけ大一番 小判型それは お困りでしょう。 そう言ったろ いい叔父さんだろ?できたらね お前さん受け取って。 「ずぬけ大一番小判型ってえんだからな。 お前さんの兄貴が腫れの病でゆんべ ポックリ逝ってふだんから太ってるところへもってきて全身腫れ上がったもんだから並の早桶じゃ 間に合わない。 ずぬけ大一番 小判型ってな…」。 今!今 帰った あ… あの男親方の おいごさんでしょ?」。