主人公の権太は奥州・三春の馬市に馬を探しにやって来ます。 三春から熊谷まで権太が 馬を走らせる躍動的なシーンにご注目下さい。 この日本一の栗毛の 値打ちのわからねえような馬市に「あい~っ」。 「しかし 馬主殿その ひいている栗毛見事な馬でござりまするな」。 銭に なおして 二四〇貫。 「なんだ 二四〇貫だあ?はりたおすぞ この野郎。 よし 二四〇貫手付として受け取った。
神の助けか この名馬 せっかく見つけはしたものの 権太は いずこと帰りをば 待っておいでに違いない 届けて下さい 熊谷へ たてて下され 皆の衆 お縋り申す源平殿 とぎれとぎれの息の根を つなぐ烈火の魂は 血の叫び見たことも聞いたこともねえがな自分の粗相をどこまでも自分の責めとして馬を探そう 分を尽くそう「おめえにな おめえにこの馬をくれてやらあな。
火事場の帰りに纏持ちが まといをかついで夜店を冷やかしてる訳はねぇやな。 じっと 見送る恋女房バタバタ バタバタ バタバタ バタバタ バタバタ。 源次はなぁおめえとの縁談が元で断られた腹いせに三五郎に屋根の上であぶられたんだぜ。 そうだ 私と一緒に火事場に行こうよ」。 何を思ったのか お初は源次の位牌を懐に夫の肌の香が まだ残る火事場衣装を身に付けた時源次に代った新しい纏持ちの新造が纏を担いで出ようとする。
無事に守った その人は 女ながらも は組のお初 ほまれも高く 今もなお は組小町と謳われて ちまたに咲いた花のいろご登場頂くのは…さあ 最初のポイントは?ずっと ここを見ていて私が 正確にお師匠さんに渡せば次の節を弾いてくれるというそういう仕組みになっております。 お師匠さん 一席の最中ず~っと 浪曲師の顔見てます。 浪曲にイチローがね。 即興浪曲を作れと言われちゃった どうしよう お題はイチロー 十五夜 まつり 何の関係があるのかしら 毎日 新聞紙上をにぎわせている イチローの安打数。
例えば 感情表現なんかもあるんじゃないですか?今のは 効果音でしたけれども例えば 人間の浪曲の中の登場人物の喜怒哀楽その感情そのものも結構 三味線で表現しちゃったりするんです。 「お師匠さん!世間一般の人は 浪曲で 三味線が感情表現を表すなんていう事を知らないっていうんですよ」。 熱く語る奈々福さん冷静に語る豊子お師匠さんおはなしも作ると同時に 今までに浪曲になかった節っていうのもつくってみたいと思いまして。 続いては…この安兵衛のもとに 赤穂藩士堀部弥兵衛金丸の娘との縁談が持ち込まれます。
あわや安兵衛やられたかと思いきに 殺してと 槍をぱっと 此の時 弥兵衛 金丸は 槍をガラリと 投げい出し 両の手 突いて 頭下げ 見込まれたるが御身の不運 不器量者でお気にも召すまいけれど 弥兵衛の為にはたった一人の 娘で御座る 親の目から 見れば 茗荷畑も 花盛り 嫌でもあろうが婿殿へ 娘の婿に成ってやって下されと 涙と共に 頼むなら 聞いて居ました安兵衛が パッと飛起き姑の手を取り まずまずまずと上座に直し 己が下座に飛び下がり 形改め 両の手支え あー 知らなんだ知らなんだ 身不詳なる 安兵衛を
しかし 10年後お蔦と再会した茂兵衛の境遇は…。 話は 宿屋の2階にいる お蔦と下を通りかかる茂兵衛との会話から始まります。 親父が家出をしましたはわたしが五つの時でした 後に残ったお袋は辛い浮世の波風と 戦い乍らうき苦労村の使いや賃仕事 そのお袋に少しでも安心させてやりたいと 隣の家から出た火事で家は焼かれて丸裸 野辺の送りもようように 済ませた後で親類に相談したが相手にされず 角力になって出世をと故郷を出たる念願は さみしくねむるお袋のお墓の前で是非一目「お前さんもおっ母さんが恋しいんだねえ」。