水俣病の苦しみを自らのものとして壮絶な記録につづった石牟礼道子。 石牟礼さんの思想や闘いは最終回は 文明の病・水俣病が私たちに投げかけている「問い」について考えます。 「苦海浄土」を お書きになられた石牟礼道子さんも彼らから大変強い また深い影響をお受けになっているという事を皆さんと一緒に考えていけたらなと思います。 水俣病の患者の一人であり漁師の緒方正人さんです。 水俣病が起きた不知火海の海で今も漁をしてるわけですけども私たちは どこかで…それでも自分たちは海と暮らすという。
これは 石牟礼さんも本当に強く おっしゃってますけどもとにかく 人間が見ていいんだ 悪いんだ人間にとって 得だ損だというような…そうすると ある意味 チッソをこっちに置くんじゃなくてチッソも その輪の中に入れた上で。 もう一つ すごくお聞きしたいのは木の舟で チッソの前に行って半年間 座り込みをというこれまた ちょっとぶっ飛んでるというかこれは なぜですか?正確に言うと座り込みではなくてその日一日を チッソの正門前で暮らすという。
石牟礼さんはそれを 50年前に見つけて「苦海浄土」の中にキュッと結晶させたという事だと思うんです。 不知火海の春の海ってどういう感じなんですか?まず 陸上より私は 海の方が春は先に来ると思っていましてその一番 典型的なのがワカメですね。 人間は何か働く事で 世界と一緒になって自分の心をきれいにしていくという事は昔の人は 分かってたような気がしますね。