最初の研究は 野球の外野手がどうやってフライをキャッチするかでした。 キャッチボールをするのに必要なプロセス腕を どこまで伸ばすかグローブを どこへ持っていくかといった事を大抵の人は意識していません。 キャッチボールは そのような自動的プロセスの集合体です。 2人と1匹が交代で円盤を追いますがそれぞれキャッチする時の作戦が違います。 そして 円盤の飛ぶコースが三者とも 円盤をキャッチする作戦は別々ですが実際には ほとんど同じ追跡パターンをとっていました。
私たちが 意識的な行動だと思っているものはほとんど 自動的なもので行動を 自らコントロールしているという考えは幻想にすぎないとしたらどうでしょうか?その研究によって 彼は それまで当たり前だと思っていた事を揺るがすような発見に至りました。 まず 前頭前皮質の領域で無意識の活動が起きてそれから 他の領域で意識的な活動が始まるんです。 つまり 自分の自由意志によって決めたという考え方は幻想だという事になります。 しかし これまでの研究結果からヘインズは 「自由意志は幻想である」と考えています。
そこから生じる個人の責任の領域に私たちの自由意志が存在するのだとガザニガは考えています。 自由とは 周りの全てについてもっと情報を手に入れより複雑な社会行動の層ではどうなのでしょうか?ある科学者は私たちが住む社会が一定の法則に従っている事を発見しました。 この社会の動きが惑星の動きと同じように予測可能だと言うのです。 混とんとした人間の集団が予測可能なものになるんです。 そのパターンを発見できれば混とんとした出来事も予測可能なものとなり結果的に人の流れが良くなるんです。
この手法で未来を予測できるなら未来を変える事もできるのでしょうか?今とは違う未来を望むなら紛争を 別の方向にコントロールする必要があります。 銀河や惑星といった巨大な世界は人間の自由意志など入る余地のない物理的な法則に基づいて動いています。 しかし 20世紀に入り量子の研究が進むとニュートンが考えたように宇宙は 予測可能なものではない事が分かってきました。 量子力学はすばらしい理論ですが私たちの日常的な感覚からかけ離れている点が問題です。
この層から 全てのものが創造され変化・発展していくのだと宇宙は チェッカーゲームのように隣の升にしか影響を与える事ができない二進法的な世界なのです。 そのため 実際は定められた運命があったとしても日常的なレベルでは 自由意志があるように感じられます。 ある物理学者は 自由意志を可能にしているものは量子力学の曖昧さであり通常の因果関係に反して原因と結果の 倫理的な法則です。 もし 自由意志を否定したらその先には破滅的な未来が待っているかもしれないからです。