日本の話芸 林家木久扇 落語「道具屋」

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この番組のまとめ

一番大変だったのは やっぱり小学校1年生の時でございまして東京大空襲というのがありまして家は 日本橋の雑貨問屋だったもんですから中心でございますね。 あそこ 鉛筆で入れていって活字になるんですけれどもそれをですねあんまり 面白くないですねただ 字 入れてるとねで 私は いろいろ映画 見ておりますからね新撰組なんか 描きますと「近藤 勇誰が いいかな? 月形龍之介」。

「何 見てんのかな?」と思って後ろから回りますとバスケットボールの試合 見てるんです。 「こんな おじいさんにバスケットボールの試合が分かるのかしら?あっ そうか 最近は若いお客さんが寄席に落語を聞きに来るから『落語を分かりやすくしよう』っていうんで落語の中に スポーツを入れようと思って 研究をしている。 うちの師匠は偉いな~」と思って邪魔にならないように後ろに回ってね一緒んなって こうやってバスケットボール見てたんです。

さぁ これからが「道具屋」でございます。 『家の伜は 二十歳にもなって親から小遣いまで持って参ります』。 二十歳にもなって 親から小遣いもらってる奴があるか」。 「伯父さんの前だけどね私は 二十歳じゃないの」。 「二十歳じゃなかったら幾つだい?」。 「郵政事業に興味を持ってましてね郵便局へ勤めようと思って」。 伯父さんの商売は『ど』がつくんだけど道具屋だよ」。 「『道具屋 お月さん見て 跳ねる』」。 ええ?道具屋仲間の符牒でな半端物の道具を ごみってんだ。

「ネズミの捕り方ねあの~ 大根おろしのおろし金があるでしょ?あれに まんべんなく御飯を なすりつけてねネズミの出そうな穴ん所へこうやって寄っかけておくんですよ。 でも せっかくだから戴きましょう』ってモショモショ モショモショ食べ始めるでしょ?ところが 下が 大根おろしのおろし金ですからネズミが どんどん どんどんすりおろされちゃって明くる朝 見た時は尻尾だけが ピクピク ピクピク」。 「あ~ 今度巻物が入ってましたけどこれ 甲賀流ですか?伊賀流ですか?」。 風呂敷包み作るだけじゃ駄目なんだ。

箒があるだろ?きれいに掃除をしてそれから 莚を敷いて品物を並べて 出来上がりだ。 道具屋なんてぇ商売は面白い商売でな道具の並べようによっちゃいくらでも安い物が高く売れたりなんかするんだい。 お前が いろんな事教えてくれなくたって伯父さんに聞いてきたから大丈夫なんだよっ」。 道具屋ができました。 新しい道具屋 できたての道具屋ホヤホヤの道具屋湯気が沸いてる道具屋いらっしゃい 道具屋。 「おう 道具屋」。 ノコギリだよ」。 「この ノコギリは甘いな」。

そんなに 面白かったら手前が道具屋になりゃいいじゃねえかな~。 「この野郎職人をしているけれどもなちゃんと 学校 出てんだよ字は読めるよ。 小便されちまったよぅ」。 「小便をされちまったよぅ」。 「あの野郎が小便をしていきましたか?気が付かねえうちにやりゃがって。 「そうじゃねえんだよぅひやかしてって「あ~ 買ってかない お客を小便って言うんですか。 今度 小便が来たら断りましょう。 「おうっ 道具屋っ」。 「この野郎?あなた あなたね~これ 道具屋です。 これ 道具屋。 これは道具屋。