ちょっと不思議な世界に夢の中の世界に入り込んでしまったような そんな雰囲気の。 ドイツ文学者で作家の中野京子さんです。 ローマ・カトリック教会の本拠地…16世紀 時の教皇が大改築を計画します。 教皇は免罪符の売り上げで 大聖堂の建設資金を賄おうとしたのです。 そんな免罪符はドイツで大々的に売り出されます。 例えば ルターとそれからカタリナ・フォン・ボラという奥さんとの結婚の立会人にもなってますしルターも クラーナハの子供の名付け親になっていたりとかですね非常に密接な関係があったわけですね。
当時それは イタリアにはイタリア・ルネサンスにはありましたからこちらは「ヴィーナスとキューピッド」です。 そして この作品は クラーナハの「アダムとイヴ」が描かれているわけですが。 いろんな人がいっぱい描いてますけどクラーナハの「アダムとイヴ」の一番の特徴はアダムが情けないんですね。 イヴの方が強くて いかにも アダムを誘惑して食べさせた みたいな。 男の人の喉仏の事を「アダムのりんご」と言うんです。 それは イヴが最初においしいとこだけ食べちゃってアダムには芯を食べさせた。
塩谷さんは クラーナハのヴィーナスは同時期のイタリアの絵画と対照的な手法で描かれていると言います。 この頃のイタリアではもう既に 油絵の具の特に白い絵の具が固練りになってきてその固練りの盛り上げる力を利用して光とか形を描いていったところがあるので絵の具の物質感そのものが人間の手の筋肉とか骨格とかを表すような強い立体感があるわけですね。
全く違う「ルクレティア」が。 この「ルクレティア」の面白いところは窓があって ここに崖があってこの形態が なんかなぜ彼女が死ななければならなかったか という時の…。 神話や聖書に よく描かれる題材で女性の策略や誘惑に引っかかり男性が堕落し どうしようもなくなるというものです。 この登場人物に扮して作品を作った美術家がいます。 心中をテーマにした歌舞伎の登場人物に置き換え更に サイボーグに仕立てました。