しかし 二人はそのような時間の概念がアモンダワはアマゾンの奥地に暮らす人々でブラジル政府が 初めて彼らと接触したのは１９８４年でした。 二人は アモンダワの時間の概念を調べるために紙皿を利用しました。 アモンダワの人々は振り返ると過去があり前を向くと未来があるといったふうに時間を一本の線のようには捉えません。 しかし 現代においてアモンダワのような人々は例外的存在です。
やがて 宇宙に残る天体はブラックホールだけになると考えられています。 宇宙は 「ダークエネルギー」と呼ばれる未知の存在に満たされているからです。 ダークエネルギーは 宇宙を膨張させる力になっていると考えられています。 遠い未来 物質が消滅した宇宙にもダークエネルギーは存在するはずです。 ダークエネルギーによって 生成と消滅が永遠に繰り返されるなら宇宙はいずれ滅びるという説です。 多元宇宙そのものは永遠に存在しますがそこに含まれる一つ一つの小さな宇宙は常に 現れては消えているというのです。
ブソーによれば 多元宇宙の内部で多くの宇宙がひっきりなしに生まれていて私たちの宇宙もその中の一つにすぎません。 多元宇宙は 数多くの宇宙から成り立っています。 別の小さな風船が次々と膨張し新たな宇宙を作っているのです。 しかし 宇宙の衰退によって崩壊が起きる場合私たちに選択の余地はありません。 ブソーは インフレーションの研究を通じて宇宙が誕生する率は消滅する率よりもずっと高いはずだという結論に達しました。 多元宇宙は成長を続け永遠に存在するという事です。
理論物理学者のアンドリュー・ストロミンジャーにとって過去と未来の違いは大きな謎です。 ビッグバンを映像で表現した場合何もない暗黒から始まりこのパラドックスを解決するためストロミンジャーは 時間というものをこれまでと違った形 ホログラムとして考えてみる事にしました。 時間を大きく遡り ホログラムの投影元から 離れすぎると過去には 何もなく未来に 全てがあるんです。
時間の謎を探るため巨大な加速器の中で素粒子を衝突させる実験がしばしば行われています。 １９６０年代 物理学者のヤキール・アハラノフはなぜ素粒子がそこまで気まぐれなのかという根本的な問いに向き合いました。 アハラノフは 言うなれば 過去と未来を同じように扱う事で量子力学の理論を再構築できる事を示しました。 この革新的なアイデアを証明しようにも素粒子は じかに観測すると動いたり消えたりしてしまいます。