古代ローマの記録にはコロッセオでの見せ物が いかにおぞましいものであったかが詳しく記されています。 模擬海戦用の水をコロッセオに引き込むための極めて高度な技術を発見しました。 世界遺産である現代のコロッセオに古代の舞台装置がよみがえります。 コロッセオは ローマ帝国の栄光の象徴であると同時に人々の暴力性を物語る巨大建造物です。 建設された当時コロッセオの人々への影響力は生死を懸けて戦う剣闘士たち。 数百年間に100万もの人々がコロッセオの舞台で残虐な死を遂げました。
コロッセオの近くに 長年放置され観光客がベンチとして利用していた古い石材がありました。 「皇帝ウェスパシアヌスは戦利品を投じて円形闘技場の建設を命じた」と書かれています。 ウェスパシアヌスは 西暦69年に皇帝の座に就いた人物です。 皇帝は即位した翌年コロッセオの建設を命じました。 ユダヤとの戦いに勝利したローマ帝国は手に入れた財宝と奴隷を投じて巨大なコロッセオの建設に着手しました。 そこには先の皇帝ネロとは違う新しい治世を印象づけたいという皇帝ウェスパシアヌスの狙いがありました。
かつてのコロッセオの壮麗な姿はローマ帝国で鋳造された硬貨やさまざまな彫刻から知る事ができます。 コロッセオの装飾はローマの人々がギリシャの芸術と文化を愛しその伝統を受け継ぐと同時にいまや ギリシャをしのぐ新たな大国である事をうたい上げていました。 かつては4つの排水路がありコロッセオから水を抜くのに使われていました。 モラビートは コロッセオの真下に4つの排水路が存在した証拠を発見しました。 コロッセオの壁を越えるには長さが60メートルもあるクレーンを正確に操作する必要があります。
よし!コロッセオの見せ物の中でひときわ 人々を熱狂させたのが剣闘士による死の戦いでした。 剣闘士の実像についてはその遺骨がヒントを与えてくれます。 1993年 現在のトルコにあるローマ帝国の遺跡で剣闘士の遺骨が発見されました。 頭蓋骨の穴は剣闘士の試合で使われた武器網と 三つまたやりを持つ剣闘士です。 それはストロンチウムというカルシウムに似たミネラルを多く含む事を表します。 ストロンチウムは 灰などに含まれているものなので今回の実験結果とも符合します。