まあ 今日はね浪花三侠客といわれましたその中の一人 もう 男の中の男これがねかっこいいんでございます。 浪花三侠客の一人木津の勘助さんという方の大阪から三里ほど南に隔たる木津という土地に勘助と申します若者が住んでおりました。 いずれも 名宛が「淀屋十兵衛殿」としたためてある。 さあ 勘助自分の家は南でございますが北に向かってわざわざ届けに参りましたので喜んだのが淀屋十兵衛。
『日傭取りの勘助』とは…。 なるほど 生業は 日傭取りかもしれませんけれどもねこの土地にいて 勘助さんを知らなければ 大阪にいて太閤様を知らないようなものなんでございますよ」。 この土地にいて 勘助さんを…」。 それまではね 向こう横町の名主の吉兵衛さんが一番だったんですけれどもちょっとした事で吉兵衛さんよりも 勘助さんの方がグ~ンと物知りだっていう事が分かってしまいましてねえ。 勘助さん なんでもね あの~お墓参りに おいでになったそうでございます。
「実はね私は 商人の割に口下手なので要件だけ申しますがうちに一人娘がおります」。 黄道吉日を選びまして四海波静か 三々九度の杯も無事に済ませます。 昨日までは 勘助が手伝ってくれておりましたが今日からは自分の仕事でございます。 かいがいしくも たすき掛け裳裾を取り上げまして井戸端へ参りますというとちょうど これが もう近所のおかみさん連中の井戸端会議の真っ最中でございまして。 おい みんな 出ておいで~!」と言うとおかみさん連中が ゾロゾロ ゾロゾロゾロゾロ ゾロゾロと出てまいります。