いや 近頃は もうね飲むってぇと やっぱりワ~ッと こう 居酒屋がいい。 何だか こう ちょいと このどうでもいいような居酒屋でもってイヒヒヒなんというね。 ええ? 明日愛宕山に登ろうなんというやつはいないかい?おお おっ おっ おっ おっ。 ああ あ… 繁蔵 おめえなみんな行くってぇから ああ人数数えてね 女将にそう言って弁当をこしらえてもらいな。 「『どうして』…聞いてなかったのかい?ええ? 明日な 愛宕山に登るの。 「『大屋根』と お前 愛宕山を一緒にするやつがあるかい。 朝飯前だね」。
『地べたが腫れてる』てぇやつがあるかい!大将は… 最初に大将がダ~ッと行くんだよ。 「大丈夫ですか?」。 大丈夫だよ。 こんなものはね一生懸命 登ろうとするからくたびれんの ねえ。 大丈夫だよ んな。 ♪『スチャラカチャン』と。 ♪『スチャラカチャン』と。 大丈夫だよ。 でもさ 大将 物好きじゃないかね本当に。 ♪『スチャラカチャン』と。 ♪『スチャラカチャン』とくらぁ。 ♪『控えろ 控えろ音羽の制止声サ』♪『大久保彦左衛門の登城登城チャランチャラン スチャラカ チントンシャン』と」。
いや ありがてえな 本当に全く。 「朝飯前か?」。 繁蔵 お前な 茶店行って うんみんな 弁当 待ってるよ。 とっとっとっとっ 一八!お前は駄目だい。 「大将。 あらぁなあ 土器投げの的さ」。 「土器投げってやすと?」。 こらぁ 大したもんなんだ 本当に。 「大丈夫ですよ んなあ!朝飯前」。 怒りっぽいんだ 本当に全く。 大丈夫ですよ。 大将こっちから こういったい。 ずるいよ 大将 本当に!何言って これ。 た… 大将が投げるってぇと ツ~ッまっつぐいくよ。
そんな… 無駄ですよ」。 「な~に?」「無駄!」。 無駄なんてぇ事を言うんだったらねお前なんかを連れてこんな所へ来ている方がよっぽど無駄じゃねえか。 人間てぇのはね無駄がしたいんだから。 「ちょっ… 離せ コンチキショー!そいっ!はっ 駄目だ。 「『難しいもんだな』じゃないでしょあなた! 本当に あなた「ありがとうござんす。 『駄目です』? 何で?『下の井筒屋のだ』?井筒屋? ああ 本当だ。 『井筒屋』としてあるけれどもいいよ! 後で何十本にもして返すから ね!じゃ。 私の体なんだから 本当にねえ。