で 昔の大阪の言葉に「けんげしゃ」という言葉がありましてこれは 「験を気にする人」を「あの人は けんげしゃやなあ」てな事を言うたんやそうですがこんな もう完全に死語でね。 また 昔の大阪の言葉に「ながたん」というのがありましてこれは つまり 菜っ切り包丁。 一体 これは何じゃ?菜や大根を切る包丁やで」。 包丁屋はんが悪いんだんがな。
親類のうちへ行きよったんや。 「心配しなさんな!そうやないかい。 仮にどっかの親類へ行ったとせえ。 「おっ 熊はんえらい夜更けに呼び寄せてすんません。 「ほいでな これにあれが行きそうな所心当たりのうちだけ書いといた。 何でんねん 今時分?」。 ご苦労はんだんな。 ご苦労さんじゃな。 いや ご苦労さん。 え いやいや もう心配ないて。 あの~夜更けの事で何もないけどちょっと一杯つけさしたあんねん。 いや 遠慮してもらうようなご馳走は ありゃあせんのじゃ。
そら この人に叱られながら八卦見やとか巫女寄せもう 人さんが聞いてやったらあほらしいような事まで頼みましたけど何の便りがある訳やなし。 熊はん もう こんななあ年寄りの泣き言の相手すんのええ加減にして はよ帰って商売に精出しとおくれ」。 「ああ そらなあ『チリップ』とか『チャラップ』とかいう西洋の飴やろ。 おとっつぁん 今日のお花見てやっとおくなはれ。 このお花は私が 今日 大阪へ来る道で畑のそばに咲いてたのをあんまり きれいなんで摘んで参じました。 けど 今日はええお天気だんなあ」。
「向こうになお薦さんが お乞食さんがた~んと いてまっしゃろ。 「乞食に 金 恵むのもええがな決して ただやる事はならんで。 辻占 持ってるやつなら一枚でもええさかいその辻占を もろてきなはれ。 あれらは あれらでなそれ相当の苦労があるはずや。 「長々 患いまして 難渋致します」。 「まあ こんな ちいちゃい子にまで乞食ささいでも ええろ。 「帰りまへん! いにまへん!自分の子どもの顔 見忘れる母親がどこにいてますかいな。 けどな 自分の子どもが出世してたら会うてやろ。