私 あの~ 小学校の教科書に私のやっている「ぞろぞろ」が載っているもんで今でも 小学校 ちょいと落語の授業に行きますが。 で クラスの児童の名前見ると女の子で「子」の字のついているのはまあ 30人いても一人いるか いないかですね。 私の名前 圓窓 これは三遊亭圓生の流れをくんでます。 時間がなかったもんでタクシーに乗ってねそいで 「浅草演芸ホール やって」つったら運転手さんが落語の事 知ってんですね。 あ~ そばでタクシーの運転手さんがねニコニコしてんですよ。
じゃ いつものじゃない お茶と羊羹な うん。 いつものはねおばあさんが持ってきて『とうぞ』って出した途端にペチャッて倒れちゃうんだよ。 文晁という画家の描いた鶴だ」。 「は~じゃ 文晁は画家だったんだ。 名鳥だしな それから谷 文晁という名人だから」。 いい羊羹 食ったらたまらないねえ。 羊羹が うまい うまい うまいうまい うまい うまい… ってず~っと続くもんねえ。 あっしなんざ首 こんなもんだからさあ今 羊羹 食ったよ。
「まあ まあ ほかになその土地の歴史とか風物そういうものが載ってんだがそん中に鶴になったいわれがちょこっと書いてあった」。 「何年前ですか?」。 「だからさ 何年前とはっきり言って下さい。 「白髪の老人が浜辺に立った」。 白髪なんだよ 真っ白な」。 「白髪だ」。 「あっ そうか 白髪か!あっしはね108つと聞こえたもんでね。 「明日のお天気 どうかしらと小手をかざして沖に目をやったんだ」。 天気を見ようってんで。 その天気がやって来たね うん。 へえ~ 雄と雌 飛んできてこれが天気になったんですか?」。
辰つぁん! 辰つぁん!あれ いねえのかな?せっかく来たのになあ。 無駄になっちゃうよ。 辰つぁん! 留守かな?辰つぁん!死んじゃったのかな?」。 「聞いちゃいらんねえなあ。 今 奥で仕事をしてたんだよ!」。 「おおっ よみがえった」。 「昔々だ。 …あの~ 108つの老人が浜辺に立ってたんだ」。 「何だい パンダみてえだな」。 「パンダ?パンダが空飛んでくる訳ねえだろう」。 「何言ってんだ。 「隠居さん?」。 で 老人が これ見て 『ああつっつだな』つったんだよ」。 「大丈夫。
隠居さん…」。 大丈夫かい?」。 「今度は大丈夫。 隠居さんに教わってうちぃ来たな?ちゃんと覚えねえうちに来るからそうなるんだよ。 「は~ 何年待ったの?」。 「千年待った」。 その白髪が1本抜け 2本抜けしまいに はげになる。 あの『鶴の一声』ってぇますがね」。 それが ある時な 何千羽 何万羽かどっさりどなった。 「あ なるほど~!これが『鶴の一声』か!おっ 面白い!じゃあ やってくる」。 「いや これはねえ隠居さんも知りませんからね。 あっしはね 隠居さんに教えて…」。