日曜美術館「みなが見てこそ芸術 川端龍子」

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この番組のまとめ

現在 「川端龍子」の展覧会が開かれています。 「鳴門」は 龍子にとって既存の日本画壇への挑戦状でもありました。 やっぱり 自分が そこに風穴を明けるような仕事が繊細で緻密な表現が主流の当時の日本画の中で奔放で生命力みなぎる自由な表現は展覧会で高い評価を受けました。 そして青龍社を立ち上げた龍子は床の間を飾るような絵ではなく展覧会を中心に より多くの人々に見てもらえる大作を次々と生み出します。

とにかく 川端龍子の やっぱりもともとの筆遣いの能力の高さというのは すごい実感しますね。 でもそれは結局 龍子自身がそれを逆手に取って 自分の力にして…。 まあ 日本の伝統的な絵画を見るシチュエーションっていうのはもう主流になったのだから絵自体も 変わっていかねばならないだろうという考え方というのも 「会場芸術」という事だったと思うんですよね。

まあ 「爆弾散華」ってタイトルから想像するに爆弾で吹き飛んだ兵士とか人間の擬人化ともとってもいいと思いますけれどまずは だから小さな植物の葉っぱが人間サイズぐらいに拡大するという意図だったと考えてもいいですよね。 こういう小さな菜園の実とか葉っぱという日常のさりげないのに 何かこう日本とか人類とかの そういう大きな歴史の悲劇を託す終戦直後 「爆弾散華」と同じ時期に描いたのがこの「臥龍」です。

国民を元気づけようというような戦後の復興から 高度経済成長に行く時代の空気を感じてのこの勢いなのかもしれないとは思いましたね。 金閣の炎上っていうのをあえて テーマにしてそれすらも 絵に昇華させて自分なりの表現を ここで打ち立てるんだっていう翌年 岩手県の中尊寺金色堂に安置されていた金の棺の中から飛び出した蛾の群れはその命の象徴でしょうか。