この遺族外来を10年前に設置した大西秀樹さん。 もともと がん患者本人の心のケアを専門としていた大西さんはその家族の心にも深い傷がある事に気付かされました。 これまで10年間で 遺族外来を訪れた患者は 250人になります。 医師が一方的に決めるのではなく患者本人と家族にもその判断が求められるのです。 …というと「そうだったんですか」って すごく安心して下さるので僕も もう長い事この遺族外来で患者さんの診察をさせてもらってるんだけど言葉にならない事いっぱいあるんですよ。
私の場合は「頑張ってね」って日本にいる時存在感だと思います。 家からも出られないという時にある時 友人の方が「一緒に ランチ行こうよ」と言ってランチに誘ってくれて普通の世間話で食事が終わって帰られる時に「今日は誘ってくれてありがとう。 こういうふうな何気ない意識をさせないような「あなたさえよければ 私 聞くよ」続いては 遺族外来に通う妻を亡くされた男性のケースです。 この男性は死別する前から遺族外来での対処が必要だったといいます。 福岡義文さんは2年半前に妻の香代子さんをがんで亡くしました。
大西さんの外来に通う事で 徐々に気持ちが落ち着いてきた福岡さん。 妻の命が終わりつつある事を大西さんから告げられた福岡さん。 その後 抗がん剤治療の効果もあり福岡さんは妻と1年以上夫の介護を受け 妻の香代子さんは亡くなりました。 最終的には 奥様のおすすめでご本人自身も外来に行こうと思われた。 夫・秀夫さんは1歳年上お見合い結婚でした。 大手製薬会社の研究者だった秀夫さんはその後 漢方薬などを研究する会社を立ち上げ仕事一筋の毎日を送っていました。
そして この映像を生かしみとりについて考えるドキュメンタリー映画を作る事にしたのです。 自分にとって有益なものはないんだというふうに思っていたものを3年半後に見直してみた時に今度そこからメッセージをもらえる奥様になっておられたんだと思うんですね。