描いたのは 木島櫻谷。 櫻谷の最高傑作「寒月」。 その後 櫻谷は京都郊外に移り住み晩年は 画壇と距離を置くようになります。 今も 画家の息吹が感じられる櫻谷邸を訪ねます。 竹内さん 櫻谷と同じ動物画を得意としています。 櫻谷の場合動物が主体ですけれどもその背景にある 枯れ草なんかがものすごく洒脱なんですよ。 明治10年 櫻谷は 京都・三条の商家の次男として生まれます。 16歳で 京都画壇の重鎮今尾景年に弟子入りしめきめきと頭角を現します。 それは 京都市内の動物園。
三段階の濃さの墨を使い分け最低限の筆数で描く日本画特有の付立法。 日本画家の竹内浩一さんこれが 「かりくら」だっていう事が分からなかったんです。 足を止めたのが この年も日本画の部で 最高賞を獲得した櫻谷の「寒月」でした。 日本画の伝統的な技と新しい洋画の技術が融合した「新時代の絵画」と評価されました。 これも 日本画特有の様式美を全面に押し出しています。
この青の絵の具なんですけれども天然の群青というのが一見 黒いシルエットのように見える「寒月」の やぶや竹林。 その最初の着想の時に もうこの焼群青を使うという事が櫻谷のインタビューの記録がありましてそれによりますとある冬に櫻谷 鞍馬貴船の辺りに泊まって写生をしていた。