それをつけてやる僅かの利子だけ もらってさ冬場の間は ちょいとここでもって押さえといて夏になったらというふうにそこまでやってそういうふうな人たちの助けになるとあたしゃそうやって思ってるけどさところが まあね その僅かの利子払えないからってんでもって「は~ さようでございますかね」。 ああお前さんもご承知だと思うけども小間物屋さんだとかまたは何だの呉服屋さん店を持ってる人じゃない背負い小間物というやつだよ。
『これね 実は6円』って言おうと思ったんだけども6円でもって 『高い』と言われるってぇと嫌だから竹の筒を作ってな その中に手内職をして本当は 18銭もらったんだけども本当は15銭しかもらえなかったんだと心に決めてこの3銭を この竹筒の中へコロコロスト~ン コロコロスト〜ン。 だけど これを1合3銭のにしてその1銭を コロコロスト~ン コロコロスト〜ンと 毎晩のように。
あんたにこんだけ世話になったんだから何か お礼にあげたいんだけども貧乏所帯でもって何にもないの。 形見分けという訳じゃないんだけど 実はね私が命から2番目に大切にしていた 繻子の帯があの質屋の番頭に3円で取られた。 ね! そういうふうなね念のとこもあるものがあの三番庫に入ってるからだからね 今晩 お前さんにね三番庫で 何が幽霊になるのかお化けになるのかもののけになるのか お前さんに調べてもらいたいんだ」。 「ちょいと 小僧に饅頭一つ くんねえかな?」。 別あつらえの栗饅頭ってぇのがあんだよ。
『コロコロストン コロコロストン』って。 「どうも 旦那 申し訳ない!何でございましょう?お酒の一件でございましょう?あとは まあね 植木の肥やしにするしかないの』って。 『どうしたんだい?』つったら『実は 御店でもって 燗冷ましをもらってきた』って言うからいや~ たとえ 燗冷ましでも今まで飲んでた酒とは訳違うわってんで こう クックッ クックッやってたんですよ。
いや~ やはりね 漬物一つでもこんなに違うんだってんであっしは まあね それをバリバリ バリバリ やってたんですわ。 うちのね 三番庫からね実は 幽霊が出るとかお化けが出るってんでねそれで まあねお前さん 強いからお前さんに見定めてもらおうかと思って」。 助太刀がいるんだよ」。 「助太刀がいるの!?言って下さいよ そんな!助太刀がいるんだったらその助太刀ってぇ人は強え人なんでしょうね」。