100分deメディア論

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この番組のまとめ

♪~ウォルター・リップマンというのはアメリカのジャーナリストの長老と言われるほど有名な方なんですけれどもこの方が1922年に この本を執筆してこれが大変有名になった。 この経験の中 大衆の心理がどう作られるかに関心を寄せたリップマン。 その両側面がつながってるというのがリップマンの議論ですよね。 大衆の意見自体がどこから出てきたのか?そこで リップマンは 「ステレオタイプ」という言葉をここで出したんですね。 ステレオタイプという定義をここで書いてるんです。

それから もう一つは慣れている価値観の中にいるとで それ以外の価値観が入ってくると正直者に会っても ステレオタイプって必ずしも壊れない。 例えばお隣の国との敵対関係とか世界中で いろんな所であるわけですけどやっぱり このステレオタイプという問題が大きくなると思うんですね。

リップマンの問題って やはりその 民主制という問題と非常に密着した問題だと思うんですけれども。 アレクシ・ド・トクヴィルという人なんですけども民主制は どういうふうにしたらうまく回るのかといった時にそれは 中間共同体というものが重要だと言ってるんですね。 結局のところ その大衆化というのが どんどん進むと人々はこういう中間領域に行かずに情報を マスメディアというところから得始めると。

ところが そのあとIT革命と グローバル化で巨大化しすぎた企業が 今度政治に影響力を持ちすぎて今のマーケティングっていうのはね「統計的に見てあなたは これを欲するはずだ」みたいな事をマーケティングしてくれるんですよ。 つまり あなたのステレオタイプからいくと こういう…。 もともと持ってる ステレオタイプを単に 強化してるだけだったりする場合がある。

1941年から在位していたモハンマド・レザー・パーレビは冷戦時代アメリカの経済的援助を受けパリに国外追放されていた彼を国民は支持。 イランとイスラムが アメリカを脅かすという報道を過熱させていきました。 そうこうしているうちに全然関係ないパキスタンの主婦の女の人がスーパーの駐車場でものすごい暴力を受けてアメリカの報道に対して自分の持っていた信頼が180度 一回リセットされた。 しかし これ読んでねいつも素朴にというか「何で アメリカ そこまでイスラムが嫌いなの?」ってそういう事を思いますよね。

で それの議論っていうものがサイードの主著である「オリエンタリズム」という本の中にずっと 彼が議論してきた事の中にあるんだろうと思うんです。 それを理解する上で重要なのがサイードがその代表的著書で分析した「オリエンタリズム」の考え方です。 報道の場面でも 西洋人の記者は無意識のうちにオリエンタリズムの視点でイスラムを描いてしまう。 むしろ西洋人は 自分たち近代が失った大切なものが小説は 一体 何を描こうとしてきたのかというと東洋自体ではないと言うんですね。

オリエンタリズムの被害者であり加害者でもあったのです。 中島さんオリエンタリズムの考えを持つ事はどのような危険性があるんでしょうか?他者を描く時にかかるバイアスという問題ですね。 アメリカって どういう世界観かを僕ら理解もしてないのにアメリカに任せて それは少なくとも…続いてのプレゼンターは…十分 空気読んでないという事になっちゃうというかね。 帰国した後出版社を経営するかたわら日本人論を中心に評論活動を行いました。 さあ では山本七平は その空気をどのように捉えていたのかご覧下さい。

もう一つ 重要な事なんだけど空気っていうのはねさっきの戦艦大和も そうだけど…つまり全員 戦艦大和の出撃は非合理だって分かってるんですよ。 誰一人として それが合理的だと思ってる人はいないんだけど空気さんだけがですね「戦艦大和 出撃だ」と。 こんなに重要な 日本人の歴史の運命を変えてしまうような出来事すらも空気によって 決まってたのか。

例えば ここちょっと縁起悪いから ここ踏んじゃいけないんだとかちょっと清めないと 何か宿ってるかもしれないとかそういう 日本人の民族的伝統から来る感覚が現代の我々のコミュニケーションの中でも生きてるという事ですね。 その臨在感的把握が空気の醸成に どうつながって?戦艦大和でいけばね「不沈戦艦大和」とか言うとただの船以上の 我が国の生命力の核だ みたいなイメージになってそれを使わずに戦争に負けるわけにいかないぞみたいな雰囲気になるとかね。

言葉がね 先ほど言ってた臨在感的把握 いろいろなものに感じるという中で 本当は一番重要なのは言葉なんですよ。 山本七平が非常に重要な事を言ってるのはこういうような言葉というのはやはり 臨在感の支配であって…その構造が 空気だっていうふうに言ってるんですね。

あれは短いし瞬間的に消費されるメディアなので非常に皮膚感覚的な空気を作るんですね。 私も実は そう思っていて例えば さっきの小室さんの不倫報道だったら高次性機能障害という奥様のそういうものはどういう病気でそれを介護する家族というのはどういう状況に置かれていてという もっと何て言うんですか…他の視点があるよ こういう見方もあるよという事をある意味 愚直に提示し続けるという事ですね。

当局からの厳しい監視乏しい配給に甘んじながら党の権力維持のために働かされる存在で主人公 ウィンストン・スミスもその一人でした。 党が国民に求めるのは「二重思考」という特殊な思考方法。 それは…?巧みな手法で 人々から考える力を奪う党に対してウィンストンは 何とか理性を保とうとします。 ウィンストンは ひそかに手に入れた日記帳に思いの丈をつづっていきます。 真理省は…そして 潤沢省は…みんなが 「そうですよね」って思えるのが二重思考という。 あの二重思考って この小説のすごく大事なポイントで。

それが ダブルシンキング。 そうそう ここが ダブルシンキング。 実は 人間ねそんなね 二重思考やっても全然 苦痛でも何でもなくて普通にやっちゃうんですよ 結構。 スターリンの時代にねラヴレンチー・ベリヤっていう有名な政治家がいたんですよ。 そこまでは よくある話なんだけどそのあとが面白くてソ連共産党が 国民に配ってる「ソビエト連邦大辞典」という辞典があるのよ。 その中にね ベリヤは偉大な政治家って事になってるので見開き2ページぐらいにわたってベリヤについて書いてある項目があるわけよ。

僕らは 最初に自由というと人間は自由だとか人間は 政治的自由があるとかそういう事を思い浮かべるでしょう。 それは 「テレスクリーン」と呼ばれる装置。 少しでもサボると…?テレスクリーンから流される放送の中でも特に重要なのが「二分間憎悪」と呼ばれるもの。 二分間憎悪のクライマックス。 でね オーウェルのすごいところはこの二分間憎悪を入れてるこの発想なんです。 テレスクリーンの機能として憎しみを増幅させるっていう。 スペイン市民戦争の時に もう仲間同士で争い合う ものすごい。

毎分視聴率の分析をしていくとどういうものが 数字を取るのかが見えてくるってものすごく会議で分析するようになって。 どうしてって言ったら 「いや 実は毎分視聴率が良かった」ってなった時に 何だか分からないの自分たちの作ってるものが。